ホンダ・N BOX+≪撮影 小松哲也≫

ホンダが6日に発売する新型軽乗用車『N BOX+』は、もともと車いす仕様車として開発がスタートした。このため荷室の床を斜めにするとともに、テールゲート開口部の最低地上高もベース車の『N BOX』より150mm低くする工夫が施されている。

N BOX+の開発責任者を務める本田技術研究所の浅木泰昭主任研究員は「ホンダは軽自動車、普通車ともに車いす仕様を必ず持とうという考えでやっていて、これまで軽では『ゼスト』が車いす仕様車を持っていたが、その役割をN BOXが引き受けるということになった」と明かす。

「私は車いす仕様車を全然知らなかったので福祉機器のイベントに行き、各社のブースをみて愕然とした。ゼストの車いす仕様車は他社のものより20万円くらい売価が高い。しかも魅力が無いだけではなくて、スロープの途中に出っ張りがあって病院にあるような大きいものは搭載できない。恥ずかしさと怒りを感じた」と振り返る。

このため「これを引き受けるにあたって持てる技術をすべて使って取り組んだ。ベース車のN BOXを開発する時から斜めのフロアを前提にし、さらにN BOXが流れている生産ラインでそのままN BOX+も流せるように開発した」という。

ところが、「他社の車いす仕様車で一番売れているものでも年間2000台。それでは数千万円もかかる金型の償却金額が台あたり数万円になるため、車いす仕様車を安くできない」ことから、「車いすや介護とは全く関係ない人にも、どれだけ買ってもらえるか。そういう新しい発想で、このフロアを使って魅力的な車を造ることができれば、新しい提案ができるのではないかと考えた」と浅木氏は語る。

こうした経緯からN BOX+には、荷室を分割したり、前席から荷室まですべてを使ってベッドにするなど、多彩なアレンジができる3つのボードを標準装備している。N BOX+の価格は135万〜187万円で、月3000台の販売を計画している。

ホンダ・N BOX+≪撮影 小松哲也≫ ホンダ・N BOX+≪撮影 小松哲也≫ ホンダ・N BOX+≪撮影 小松哲也≫ ホンダ・N BOX+≪撮影 小松哲也≫ ホンダ・N BOX+≪撮影 小松哲也≫