ホンダ・N BOX《撮影 雪岡直樹》

スズキが2012年3月期の連結決算増益の要因に『ソリオ』の好調を挙げ、ホンダ『N BOX』が軽自動車販売で堅調に推移するなど、スライドドア採用のコンパクトカーが人気を博している。

こうした「ミニバンの要素であるスライドドア採用のコンパクトカー」カテゴリーを「プチバン」と位置づけ、今回「プチ」製品に対する需要が好調である要因を調査した。

調査を行なったのはマーケティング・リサーチ事業を手がけるアイシェア。「プチ」という言葉は、「製品やサービスに採用する特長を、ユーザーにとって必要なサイズに圧縮できる分、手軽な価格で提供できるようになる」という解釈が可能だ。消費者のコストパフォーマンスに対する意識が高まり、より自分の生活にフィットした、必要十分な機能やサイズを求める傾向を反映したものともみてとれる。

そこで消費者の「コストパフォーマンス」への意識を紐解くことで「プチ」製品に需要が集まる背景が分析できるとし、アンケートが行なわれた。

調査対象は20代〜60代で「コストパフォーマンス」という言葉を認知している男女1204名。

まず、商品やサービスを購入する際に「コストパフォーマンス」を意識するかどうかを聞いたところ、「強く意識する(=32.6%)」と「まあまあ意識する(=61.6%)」を合計した「意識層」が94.2%と高い結果となった。

また、コストパフォーマンス意識層の約半数(49.8%)がここ数年間の間でコストパフォーマンスに対する意識が高くなったと回答している。

さらに、コストパフォーマンスの評価基準と購入する商品やサービスの価格帯との関連性を調べたところ、「金額が大きいほど評価基準が厳しくなる」が64.3%となり、「金額の大小は評価基準とは関係ない(=28.0%)」「金額が小さいほど評価基準が厳しくなる(=7.7%)」を大きく上回る結果となった。

商品・サービス別にコストパフォーマンスに対する意識度合いを4段階評価(「強く意識する」「まあまあ意識する」「まったく意識しない」「わからない」)で聞いたところ、「強く意識する」の回答が多かったのは「住宅(賃貸を除く)=46.5%」」や「自動車(=40.9%)」などの高額消費財で、他の商品・サービスに比べて圧倒的に高いことがわかった。

住宅、自動車に次いでコストパフォーマンスを「強く意識する」の回答が多かった商品やサービスを、回答率の順で見ると、パソコン(37.6%)、家電(白物家電=32.8%、黒物家電=32.1%)、携帯電話(25.4%)、旅行(23.8%)、高級レストラン(22.0%)など比較的高額な商品・サービスが多いが、ブランド品(14.6%)、貴金属・宝飾品(15.4%)、趣味用品(14.7%)など、高額商品でも必ずしもコストパフォーマンスを強く意識していないカテゴリーがあることもわかった。

消費生活アドバイザーの和田由貴氏は今回の調査結果から「近年のサービスや商品のプチ化、高コストパフォーマンスな品が求められるようになったのは、賢い消費者が増えたことにあります」と分析。

「バブル期以降、ハイスペックを重視したり、身の丈に合わないほどのものが支持されるという傾向がありました。その後消費者マインドが悪化すると、安かろう悪かろうの品が台頭してくるという対極の方向へ流れて行ったわけですが、現在はそれらを踏まえ、質は高品位志向、サイズや価格は生活に相応な「必要十分なもの」を選択するという消費行動に変化しています」

「さらに、クルマや住宅、家電など、スペックや価格が重視されるものに高コストパフォーマンスを求める消費者が増え、プチバンやコンパクトマンション、プチ食洗機やプチドラムといったプチ家電などの商品が登場しています」と解説している。

「プチ」商品・サービスの利用意向は約7割 「プチ」利用者のコスパ評価「高い」が7割以上 9割以上の人が消費やサービスを購入する際にコスパを意識 コスパの評価基準は「機能や性能」「使い勝手のよさ」が上位 夏のボーナスでもコスパ意識が浸透 住宅・クルマなど高額消費材ほどコストパフフォーマンスを強く意識 ホンダ N BOX ノーマル《撮影 雪岡直樹》 ホンダ N BOX ノーマル《撮影 雪岡直樹》 ホンダ N BOX カスタム《撮影 雪岡直樹》