VW/ザ・ビートル

6月1日、VW『ニュービートル』がフルモデルチェンジし『ザ・ビートル』として発表された。

「異常な大ボリューム感」だったダッシュボードがずっとスリムになってフロント見切りはだいぶマシになった。また、「遠くにあって異様に太かった」ため、それが生み出す死角が時にキケンだったAピラーの位置と形状が、改善されて右左折やコーナリング時の“視界安全性”が向上したのはマル。最新モデルにもかかわらず、昨今のVW車がこぞって採用するアイドルストップ機構が無いのは、主なマーケットがアメリカ市場だからゆえか。ちなみに、彼の地のユーザーはこの“エコ・ディバイス"を、何かのアレルギー症状かと思えるほどに毛嫌いするんだとか。

それでも、ちょっと気をつけて高速道路を流すとすぐに20km/リッターの大台を突破するほど燃費に優れるのは、さすがはVWの“ダウンサイズ・エンジン+DCT"の威力ゆえ。でも、日本市場以外でのこのモデルは、もっと強力な心臓をメインに据えた「スポーティなプレミアム・モデル」という位置づけ。となると、日本でも今後、そうしたモデルの導入可能性がアリという事だろうか?

街乗りシーンでは「静かで上質」と感じられた走りのテイストは、速度が増すに連れてばね下の重さ感などがちょっと気になるように。「ゴルフがベースなのに、おかしいナ?」と思ったら、4リンク式のゴルフに対し、こちらはトーションビーム式とリア・サスペンションの構造を大きくランクダウン。

なるほどスタイリングは男性でも抵抗感の少ないものとなり、その意味では「門戸が広がった」のは確か。でも、パッケージングの実用度や走りの質感で語るなら、迷うことなく『ゴルフ』がオススメ。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。

VW/ザ・ビートル《撮影 青山尚暉》 VW/ザ・ビートル《撮影 内田俊一》 VW/ザ・ビートル《撮影 青山尚暉》 VW/ザ・ビートル《撮影 内田俊一》 VW/ザ・ビートル《撮影 青山尚暉》