トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》

富士経済は、報告書「次世代自動車ITコミュニケーション関連市場の現状と将来展望」をまとめた。

報告書では、世界の自動車メーカーや通信キャリアの取り組みを分析し、コネクティッド・ビークル(インターネット常時接続車)の市場を予測するとともに、自動車分野のICT関連のサービス、アプリケーション、車載デバイス/機器・システム、インフラなど25品目の市場と主要関連企業22社の戦略を分析した。

外部とのインターネット通信が可能な情報通信システムを搭載した自動車または、スマートフォンなどのモバイル端末を使って駆動用バッテリの残量把握やエアコンのリモート操作が可能な情報通信システムを搭載する電気自動車(EV)、プラグインハイブリッドカー(PHV)のコネクティッド・ビークルの2011年市場は、前年比25.0%増の425万台となった。うち、EVやHV、PHVのウエイトは僅か。

2025年に2011年の9.1倍の3850万台に成長すると予想する。

現在、市場規模が最も大きいのが米国で、2011年は225万台と、世界市場の50%強を占める。車載情報通信プラットフォーム(車載OS)はマイクロソフトが市場を独占しているが、車載システムと連携するためのモバイルプラットフォーム向けはGoogleがアンドロイドOSを投入してマイクロソフトに対抗している。また、インテルも車載情報通信システムの研究開発を行っており、今後、自動車ICT分野では世界的な主導権競争が一層激しくなると予想する。

米国に次ぐ市場規模の欧州では、自動車事故からの素早い救助を目的とした緊急通報システム「e-Call」の新車への搭載が義務化される可能性が高いため、今後は全ての新車がコネクティッド・ビークル化される見通し。2025年には欧州が最大規模の市場になると予測する。

日本市場は現在欧州とほぼ同規模。米国とともにテレマティクス先進国で、自動車メーカー各社は充実したサービスを提供している。2010年発売の日産自動車『リーフ』や2012年発売のトヨタ自動車『プリウスPHV』は、バッテリ残量の把握、充電器の位置情報や満空情報を通信で受け取ることができる。

中国市場は小規模だが、ICT技術を盛り込んだスマートカーの普及や、通信技術の急速な発達などがコネクティッド・ビークルの普及を後押ししている。テレマティクスサービスにはゼネラルモーターズ(GM)が早期に参入しているほか、トヨタ自動車もマイクロソフトと協業でサービス展開している。

BMWもモバイルネットワークを利用した自動車内コミュニケーションやカーナビゲーション、セキュリティーシステム事業などを今後展開していくと見られる。

韓国では現代自動車がコネクティッド・ビークルの投入に積極的な姿勢を見せている。

日産リーフ シボレー・ボルト