政府は、イラン産原油を輸送する日本国籍のタンカーについて、国が再保険を肩代わりする特別措置法案を、今国会に提出することを11日の持ち回り閣議で決定した。

国際的に核開発を続けるイランへの制裁措置がいっそう厳しくなる中で、日本はいまだ原油輸入量の8.8%(2011年)をイラン産原油が占める。

欧州連合(EU)は今年1月の外相理事会でイラン原油船舶の再保険引き受けの禁止という制裁措置を決定した。3月には制裁措置の猶予が決まったが、その猶予も6月末で切れる。

日本は過去5年間で約40%減少した実績を持って「EU諸国以外の国に影響が及ばないように働きかけを行っているが厳しい」(外務省)という判断した。

そのため原油供給が円滑に行われるよう再保険を政府が肩代わりする「特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法案」を早急に成立させ、制裁実施に備えることになった。

タンカーの損害保険は、対人・対物が任意で、また、船舶油濁損害賠償保障法で海洋などの油濁損害については強制加入が義務づけられている。

この保険に加入することで万が一の事故で800万ドル(約6.5億円)〜79億ドル(約6200億円)の補償が得られるようになっているが、再保険の引き受けがない状態で可能な補償は、日本船首責任相互保険組合が運用する800万ドルだけ。それ以上の損害については、欧州の再保険会社が引き受けている。

この法案では、タンカー所有者と国(国土交通省)が保険契約に代わる特定保険者交付金交付契約を結び、タンカー所有者から保険金相当額の年額約1500万円を徴収。日本船首責任相互保険組合が補償する額を上回る事故があった場合に、交付金を交付する。

「絶対量の確保、価格の両面からいきなりイラン産原油がなくなることは適切ではない。(この仕組みにより)輸入を維持していくことができる」(資源エネルギー庁資源・燃料部)。