東京商工リサーチは、2012年3月期決算の上場企業の「継続企業の前提に関する(ゴーイングコンサーン、GC)注記」調査結果を発表した。

2012年3月期決算の全上場企業2504社のうち、監査法人からGC注記が付いた企業は41社だった。2011年3月期の50社より9社、前中間期(2011年9月中間期の42社)から1社それぞれ減少した。

また、GC注記に至らないものの、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在する場合に明記する「継続企業に関する重要事象」の記載があったのは45社で、前年度本決算の57社より12社減少、前中間期の53社から8社減少した。

GC注記企業と重要事象を記載した企業の合計はリーマン・ショック時の2009年3月期の145社から約6割に減少、上場企業の倒産減とともに減少傾向にある。

GC注記が付いた41社のうち、32社が「重要・継続的な売上減」、「損失計上」、「営業キャッシュ・フローのマイナス」など本業面での業績不振を理由としている。次いで「債務超過に転落」が9社、「資金繰り悪化や資金調達難(可能性ありも含む)」が6社、「金融機関や取引先などに債務の返済条件変更やその可能性がある」や、すでに「支払延滞が発生している」企業が6社と続く。

本業不振による売上減で赤字体質から脱却できない上場企業にGC注記が継続的に付くケースが目立つ。債務超過に転落した企業は前年度決算5社から9社へと増加した。債務超過は上場廃止基準の1つで、原則1年以内に解消しなければ上場廃止となる。GC注記の企業数は全体としては減少傾向だが、経営改善を達成しGC注記が解消する企業と、より深刻な経営状況に陥る企業との二極化が鮮明になっている。

GC注記が付いた41社の業種別内訳は、最多が製造業の15社。円高や欧米市場の低迷、中国や韓国など、海外メーカーの台頭など製造業を取り巻く厳しい経営環境を反映した。次いで、サービス業の8社、情報・通信業の5社、卸売業の4社の順。

2012年1〜5月に倒産した上場企業のエルピーダメモリ、山水電気、NISグループはすべて、直近の四半期決算にGC注記が付いていた。上場企業の倒産件数は2008年の33社をピークに2009年が20社、2010年が10社、2011年が4社と減少傾向にある。

倒産減に呼応するかたちでGC注記、重要事象の企業数は減少している。

一方で、倒産に至った上場企業のすべてにGC注記が付いた。同社では、債務超過や支払債務を延期している不振企業の存在は無視できず、今後もGC注記や重要事象の記載状況には引き続き注目が集まるとしている。