ソニー、パナソニック、ルネサスエレクトロニクスなど大手メーカーが相次いで人員削減案を発表する中、東京商工リサーチは、2012年の主な上場企業希望・早期退職者募集の調査結果を発表した。

調査は、上場企業を対象に2012年1月以降、希望退職、早期退職者募集の実施を開示し、具体的な内容が確認できたケースを抽出した。

今年1月以降、6月7日現在で希望退職、早期退職者募集を実施した主な上場企業は、具体内容が確認できたもので33社を数え、前年同期の31社に比べ2社増となった。情報公開日でみると、募集実施企業は4月が9社、5月が8社の2カ月間で半数の17社が占め、ここにきて増加の兆しをみせている。

個別企業で募集人数(募集人数が不明の場合は、応募人数をカウント)が最も多かったのは、ホンダの軽自動車の受託生産を行っていた八千代工業の応募人数771人。ホンダの軽自動車の自社生産に伴って余剰人員の大量削減を迫られた。

次いで、液晶パネル製造装置大手のアルバック(グループ会社を含む)の700人、メガネスーパーの450人、太陽誘電の330人、ベスト電器の300人と続く。募集または応募人数が100人以上は10社だった。

ただ、日本電気など募集人員を定めず、応募結果がこれからのケースもあり、希望退職者がさらに増加することが確実。

産業別で、最も多かったのは電気機器の8社で、次に小売の5社、情報・通信の3社、精密機械の3社と続く。市場区分では、東証1部が最多の16社で、次が東証2部の8社、ジャスダックの5社の順。

2012年に希望・早期退職者募集を実施した上場企業数は、現時点では前年水準をわずかに上回るペースだが、4、5月の2カ月間で急増した。具体的な募集実施内容が公表されていないため、現時点で集計されていないものの、大手電機メーカーを中心に、大規模な人員削減計画が次々に予定されている。テレビ事業や半導体などの国内生産の縮小や海外への生産移管、事業の見直しに伴い実施するケースも多い。

厳しい国際価格競争による製品単価の下落に加え、超円高による収益の悪化も背景にある。さらに小売業では、デフレと消費低迷で業績不振から抜け出せないところも多く、証券業を中心に金融保険業も、株価下落の影響で企業リストラが加速する可能性も出ている。

経済指標は改善傾向をみせているものの、企業業績に反映するにはタイムラグもあり、東京商工リサーチでは今後の上場企業の希望・早期退職者募集は、増加傾向に拍車がかかることが懸念されると指摘する。