帝国データバンクは、価格の乱高下や需要の減少、価格競争の激化など、厳しい事業環境が続くガソリンスタンドの2011年度(2011年4月〜2012年3月)の倒産件数を集計した。

また、同社の企業概要データベースから削除されたデータを収録したファイルを活用して、過去5年間に休廃業・解散に至った事業者も集計した。

調査結果によると、2011年度のガソリンスタンド経営業者の倒産(負債額1000万円以上の法的整理のみ)は56件発生し、前年度の49件と比べ14.3%増加した。全業種の倒産件数は、前年比0.5%の減少となっており、全体的に倒産が沈静化している中でも、ガソリンスタンド経営業者の倒産が増加が目立つ。

ガソリンスタンド経営業者の倒産件数は2007年度から高水準で推移している。これは自動車保有台数が前年同月比減少に転じた時期と一致している。ガソリンスタンドの経営が自動車保有台数に左右されているのがわかる。

また、レギュラーガソリン卸価格と比較すると価格が高騰するにつれて倒産件数も増加傾向を示している。利用者数が減少する中で、客離れを恐れるあまり、仕入れ価格上昇分を価格に転嫁できずに収益性が悪化する業者も多いことを裏付けている。

負債総額も全業種で前年度比14.1%の減少と倒産の小型化が進む中、倒産したガソリンスタンド経営業者の負債総額は同比7.4%の増加となっており、5年連続で100億円を突破している。

2011年度の休廃業・解散件数は190件が判明、同7.8%減となった。3年連続で前年度を下回ったものの、依然として、2011年度の倒産件数56件に比べて約4倍の発生件数が続いている。


種類別では「休廃業」が126件、「解散」が64件と、倒産件数が高水準となった2007年度以降、休廃業・解散件数も高水準で推移しており、倒産にまでは至らなくとも営業活動を休止せざるを得ないケースが多い。これらの業者は、債務整理の過程で法的整理に移行する可能性があり、今後の倒産件数を押し上げる一因となる見通し。

倒産、休廃業・解散したガソリンスタンド経営業者数を地域別にみると、全9地域のうち、前年度比増加が4地域、減少が4地域、前年度と同数が1地域。

「関東」は51件で最多となったものの、前年度比では17.7%の減少。東日本大震災の影響を直接受けた「東北」は、30件となり前年度比25.0%の増加となった。一方で震災の直接的影響がなかった「四国」、「九州」では、ともに前年度と比べて大幅に減少した。

同社によると価格競争は激しく、ハイブリッドカーなどの普及でガソリン消費量も減少傾向にあり、ガソリンスタンド業の今後は厳しい状況が続く見通し。事業継続を断念する業者は今後も増える可能性が高く「ガソリンスタンド空白地帯」はさらに増加していくと予測している。