ルート検索方法の設定画面。カスタム回避により、特定の道路、特定のエリアを回避するといったことも可能だ。《撮影 山田正昭》

ガイドが始まると、nuviシリーズを初めて使う人はまた驚くことになるだろう。表示される地図が独特で、これまた極端にシンプルなのだ。地図の表示モードは2Dと3Dを切り替えられるが、nuviシリーズの真骨頂は間違いなく3D表示なので、是非こちらを試して欲しい。

3Dモード時の地図表示は斜め上から遠方を見渡した様な視点だが、nuviシリーズのそれは手前側が非常に大きく表示されるのが特徴。しかも、曲がるべき交差点に近づくと、自動的に地図がズームアップする。このとき曲がる方向が巨大な白い矢印で表示され、走行中でもちらっと見るだけで、どこでどの方向に曲がればいいかを瞬時に読み取れる。

nuviシリーズには、他のナビには必ずといっていいほど搭載されている交差点拡大機能がない。これは機能が少ないのではなく、通常の画面が交差点拡大図を兼ねているので必要ないということなのだ。シンプルに徹するGARMINらしさが実感できるところといえるだろう。

このように地図表示ひとつとっても個性的なnuviシリーズだが、本機ではもうひとつ個性が際立っている部分がある。それは音声案内の声質だ。nuviシリーズでも以前のモデルはごく一般的な音声だったのだが、本機ではやや緊張感のある独特の声となっている。特に目的地に着いた時のアナウンスは緊急事態でも起きたかのようだ。すぐに慣れてしまうが、最初は面食らうかもしれない。


◆GPSのみでも測位精度は問題なし 悪条件でライバルとの差が出る

本機にかぎらず、すべてのnuviシリーズは現在位置の測位をGPSのみによって行う。他社ではPNDであってもジャイロセンサーと併用する製品もあるし、インダッシュの製品なら車速信号を入力することもできる。しかし、実際に使ってみると、GPSのみだからといって測位精度が劣ることはないといっていい。

もちろん、トンネルの中に入れば測位不能となり、自車アイコンはその場で止まってしまう。これだけはジャイロや車速信号併用のモデルにはかなわない。しかし、それ以外で現在位置の誤差が大きいと感じることはまず無いだろう。最初の書いたとおり、GARMINはGPS機器に関しては世界的なトップメーカーで、豊富なノウハウを持っている。特に山岳用GPS機器では衛星の信号をロストすることが登山者の生死に直結しかねないため、とにかく衛星の電波を捕まえ、一度捕まえたら離さない、ということにかけては他の追随を許さない技術の蓄積がある。

nuviシリーズでもそれが生かされており、ビルの谷間や高架下を走行していても、自車位置を完全に見失うことが非常に少ない。トンネルのように上空が完全に塞がれた状況でなければ、驚くほど粘り強く衛星を捕まえていてくれるのだ。

他社のPNDと比べてもその違いは実感できるが、特に「やはり餅は餅屋だな」と感じさせるのは、スマートフォンと比べたとき。最近はスマートフォンのナビアプリの進化が著しいが、GPSの受信感度に関して限界がある。スマートフォンが自車位置を完全に見失うシチュエーションでも、本機ではしっかりと測位ができているのを見ると、頼もしさを感じる。

なお、本機をはじめとする最新のnuviシリーズは日本独自の衛星である準天頂衛星「みちびき」の信号を受信できるのも特徴の一つ。みちびきは日本をカバーするGPS衛星が少ないときに、それ補完する。ただし、本来は3機の衛星が必要なシステムなのに現状では1機しか稼働していない。そのため、みちびきを利用できるのは1日のうち8時間だけだ。したがって、みちびきの効果はあまり期待しないほうがいい。GARMINがそれでもいち早くみちびき対応を打ち出したのは、GPSによる測位精度を上げるためならなんでもするという貪欲さの現れといえるだろう。


◆意外なほど多彩な機能を搭載 地図の追加で海外での利用もできる

シンプルであることが信条のnuviシリーズだが、じつは意外なほど機能が多い。本機はワンセグとVICSに対応しているのが大きな特徴だが、それ以外にもさまざまな機能を多数搭載しているのだ。まずBluetoothによるハンズフリー機能がある。最近でこそ国産PNDでもBluetoothは当たり前になってきているが、その先鞭をつけたのはnuviシリーズだといっていい。以前はBluetooth搭載の携帯電話が少なかったので利用価値が低かったが、スマートフォンが普及した今ではBluetoothによるハンズフリーは非常に便利な機能といえる。

バックカメラを接続できるのも本機の大きな特徴だ。クレードルに入力端子があり、ここにバックするときだけ信号が出力されるタイプのカメラを接続すれば、セッティングは完了。車両のギアをバックにすれば自動的にカメラ映像に切り替わる。バックカメラも最近では対応するPNDが増えているが、実はこれも最初に対応したのはnuviシリーズだ。

ほかのメーカーにはないnuviシリーズだけの機能として、オプションの地図をインストールして海外でも使える。地図データは例えば「MapSource CityNavigator 北米大陸&ハワイ」なら1万6800円。あまりにマニアックな機能のようだが、インターネットでnuviシリーズユーザーの声を拾うと、意外とこの機能を評価している人が多い。出張などで頻繁に海外に行く人にとっては、使い慣れたPNDを海外でもそのまま使えることが便利なようだ。本機には世界時計や単位換算機能もあり、出張族を意識して作られていることは間違いない。

ここまでに紹介した機能以外にも、走行軌跡をGoogleアースに表示できる、無料のオービスマップをインストールできる、カスタムPOIに対応している、デジカメ画像の閲覧ができるなどなど、機能は本当に豊富。初心者に使いやすく、しかしパワーユーザーには使いこなす面白さを提供してくれるPNDだ。

3D表示でのナビ中の画面。曲がる方向が白い矢印で表示される。交差点拡大表示が不要であることがお分かりいただけるだろう。《撮影 山田正昭》 2D表示でのナビ画面。広い範囲を見通すにはこの表示のほうがいい。《撮影 山田正昭》 インターチェンジやジャンクション、大きな交差点では分かりやすいイラストが表示される。《撮影 山田正昭》 画面中央下に注目。シンプルだがこのようにレーン表示機能もちゃんと搭載されている。《撮影 山田正昭》 GPSの受信状況を示す画面。「193」が準天頂衛星「みちびき」だ。《撮影 山田正昭》 ガイド中に自車アイコンをタップするとこのようなメニューが表示され、ワンタッチで周辺検索ができる。《撮影 山田正昭》 スピードメーター機能。子供っぽいギミックのようだが2つのトリップメーターなどは非常に実用的。《撮影 山田正昭》 左手前から右斜めに伸びている赤いラインはVICSによる渋滞情報。《撮影 山田正昭》 ワンセグは以前の機種にあった録画機能はなくなり、かわりにチャンネルプリセットを複数保存できるようになった。《撮影 山田正昭》 Bluetoothによるハンズフリー機能は非常に便利。本機でスマートフォンの電話帳から相手を探して電話をかけることもできる。《撮影 山田正昭》 メインメニューに表示されるアイコンをカスタマイズすることができる。《撮影 山田正昭》 世界時計機能。ほかに単位換算機能もあり、海外での使用を意識した作りとなっている。《撮影 山田正昭》