【GARMIN nuvi 2582V インプレ前編】価格と機能をバランスさせた中核モデル 《撮影 山田正昭》

アウトドア用やフィットネス用で絶大な信頼を集め、世界では極めてメジャーなブランドとなっているGARMIN。日本におけるカーナビ市場でも、海外メーカーとして唯一、存在感を発揮するメーカーとなっている。その中核モデル「nuvi2582V」を使用してみた。


◆フラッグシップモデルと同機能を備えた実力派

カーナビのような高度なデジタル機器は日本メーカーが最も得意とするジャンル。競争も激しく、掃除機や湯沸かし器とは違って海外メーカーが入り込める余地はないに等しい。そんな厳しいマーケットにPNDの独自ブランドを長年にわたって展開している唯一の海外メーカー、それがGARMINだ。

アウトドア向けやフィットネス向けでは世界的にトップ企業であるGARMINは、そのGPS技術をバックボーンとするPND、nuviシリーズでも多くの実績がある。日本メーカーとは一味違うユニークな製品は日本でも一定の支持を得ており、群雄割拠となっているPNDのマーケットにあっても独特の存在感を放っている。

さて、nuviシリーズは現在6機種がラインアップされているが、今回取り上げるのはその中核モデルといえるnuvi-2582Vだ。フラッグシップモデルであるnuvi3770Vの次に位置するモデルで、価格も3770Vより低く抑えられている。ところが、その機能は3770Vと基本的に同じといっていい。非常にコストパフォーマンスの高い実力派モデルなのだ。

その特徴を一言でいうなら「nuviシリーズの魅力にVICS、ワンセグをプラス」ということになるだろう。nuviシリーズは基本的に海外向け製品のソフトウエアを日本向けにローカライズしたもので、かつてはハードウエアレベルでは日本市場にマッチしていないのが弱点だった。しかし、本機は日本独自のインフラであるVICSやワンセグに対応する。それでいてnuviシリーズならではの魅力も失っていないのは嬉しいところだ。

ちなみに、フラッグシップモデル3770Vは超薄型のボディや高精細ディスプレイ、マルチタッチ可能なUIなどが特徴となる。いずれも魅力のあるスペックではあるが、ソフトウエアは基本的に同じだ。実利主義に徹するなら、2582Vを選んでも失うものは殆ど無いといえる。


◆ベーシックなボディと分かりやすい操作

本機のボディはnuviシリーズの伝統ともいえる極めてシンプルなもの。デザイン性を極力廃し、自己主張を一切しない道具に徹した外観だ。ただし、決して安っぽくはなく、滑りにくい独特の感触などはむしろ高い質感を感じさせる。また、出っ張りもへこみも全くないスクエアな形状なので、ポケットでもカバンでも非常に収まりがいい。携帯性が高いのだ。

本体サイズは幅137ミリ、高さ83ミリ、厚さ15ミリでディスプレイサイズは5インチ。最近のカーナビは全体に大画面化してきているので、本機を小さく感じる人もいるかもしれない。しかし、日本製ナビが大画面化しているのはスマートフォンとの差別化を意識しているためで、本来5インチというサイズはPNDとして最もバランスのとれたサイズだ。とくにシンプルなユーザーインターフェースを信条とするnuviシリーズは5インチクラスと相性がいい。

本体にはボタン類が電源ボタン以外になく、操作は全てタッチパネルで行う。ほかに本体に装備されているのはMicroSDカードスロット、ワンセグ用アンテナ、USB端子、外部ワンセグアンテナ端子といったところ。とにかくシンプルだ。内部のメモリーは8GBあり、1/25000レベルの道路地図、3300万件の住所情報、700万件の電話番号情報を収録する。主な交差点やインターチェンジの拡大図、交通案内板、レーン情報なども収録されている。内部のバッテリーによる駆動時間は2時間だ。

インターフェースはnuviシリーズの伝統であり、また大きな魅力でもあるシンプルに徹したもの。かつてnuviシリーズを使ったことがある人なら、それがどれだけ古いモデルであろうとも、この最新モデルも同じ感覚で操作できるはずだ。一度もnuviシリーズを使ったことがない人は国産ナビとの違いに驚くかもしれないが、操作自体はやはりほとんど迷わずに出来るはず。それほどまでに分かりやすいのだ。さらに言えば、長年にわたって不変に見えるこのインターフェースも細かい部分が確実に進化している。本機はnuviシリーズの一つの到達点といっていい完成度に達している。


◆合理的に作りこまれた目的地検索

実際に使ってみよう。電源を入れると、「目的地検索」と「地図」という大きなアイコンをメインに、いくつかのアイコンが表示される。ガイドをさせるなら当然「目的地検索」をタップする。

目的地の検索方法は住所、電話番号など一般的なもののほかに、いくつか特徴的なものがある。たとえば緯度経度の数字入力による目的地設定が可能だ。また、自宅の登録が「自宅へ」と「オフィスへ」の2つできるようになっている。2つ目はもちろんオフィスにかぎらず、よく行くところを設定してショートカットキーとして使うことができる。

ジャンル別検索も特徴的で、まずこれを選ぶと自動的に周辺検索になる。しかも、その「周辺」が指すエリアを「現在地周辺」、「別の場所の周辺」、「最近検索した場所周辺」などから選択できる。これが非常に便利で、目的地周辺の駐車場を探すときなどに使える。誰の目から見ても、この目的地検索機能はよく考えられていると評価できるだろう。長年にわたって作りこまれた秀逸なインターフェースだ

続いてガイド開始だが、ほかのカーナビを使い慣れた人はここで面食らうかもしれない。というのも、ルートの選択や確認がなく、いきなりガイドが始まるからだ。シンプルに徹しているゆえの大胆なまでの割り切りで、大抵の場合これは操作が楽で便利。しかし、高速道路を使うかどうか迷うような目的地の場合、どのルートが選択されているのか、事前に確認する必要がある。

もちろんこれは可能で、画面上の道路名などが表示されている部分をタップ。するとルートが文字で表示されるのでこれで確認するか、もしくは左上のアイコンをタップして「地図表示」をタップすると、ルート全体を一目で確認することができる。なお、高速道路を使わない、幹線道路を優先したいといったルート検索の設定は、最初の画面の「ツール」-「設定」-「詳細設定」-「ルート検索」でできる。または地図が表示されている画面の右下にあるアイコンをタップすると表示される、ショートカットメニューからも設定が可能だ。

余計なものが何もないシンプルな本体。ガンメタのベゼル、マットブラックの裏面共に滑りにくい手触りだ。《撮影 山田正昭》 左側面にはMicroSDカードスロットがある。右側面には全く何もない。《撮影 山田正昭》 上面には左端に電源ボタン、右端にワンセグ用のロッドアンテナがある。中央のくぼみはクレードルに固定するためのもの。《撮影 山田正昭》 下面は中央にクレードル用の接点、左端にUSBの端子がある。このUSB端子はパソコン、あるいはACアダプタと接続するためのもので、車載時には使わない。《撮影 山田正昭》 裏面はスピーカーとワンセグの外部アンテナ端子がある。《撮影 山田正昭》 ワンセグ用のロッドアンテナはスマートフォンなどに使われているのと同じようなタイプだ。《撮影 山田正昭》 車両への取り付けは、まずダッシュボードにこのようなベースを両面テープで貼り付ける。《撮影 山田正昭》 このベースに吸盤式のクレードルを固定する。ベースだけを買い足せば別の車両への移設も簡単だ。《撮影 山田正昭》 クレードルを裏から見たところ。電源ケーブルはクレードルの裏に接続するようになっている。《撮影 山田正昭》 目的地の検索画面。ユーザーフレンドリーなインターフェースだ。《撮影 山田正昭》 日本語入力のインターフェース。ごく一般的なボタン配置といっていいだろう。《撮影 山田正昭》 ルート検索方法の設定画面。カスタム回避により、特定の道路、特定のエリアを回避するといったことも可能だ。《撮影 山田正昭》