VW電気駆動担当グループ執行役員Dr.ルドルフ・クレープス氏《撮影 鈴木ケンイチ》

モジュラー化とプラットフォームのフレキシビリティ向上は自動車設計における一貫した流れだが、ブランドとモデルの個性をいかに差別化していくか、改めてメーカーのデザイン/エンジニアリングの力量が問われる時代になりそうだ。

5月30日にVWの電動駆動担当グループ執行役員のルドルフ・クレープス氏による「VWグループのEモビリティ戦略」のプレゼンテーションが行われた。そこでは次世代モビリティの中核をなすコンセプトとして「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」が紹介された。

VWグループは、ポルシェやアウディといったハイエンドブランドから、シュコダやセアト、中国でのブランドなど、大量生産を目指すモデルまでを世界中で生産・販売している。そのためVWグループでは、世界各地のユーザーにあわせてきめ細やかな作り分けを行っているのが現状だ。

しかしながら、クレープ氏は「基本的なところを見ると、各国、ブランドごとのニーズが、それほど異なることはない」と述べる。そこで次世代モデルのために開発されたのが「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」だという。

「MQB(モジュラー・トランスバース・マトリックス)」とは、VWからアウディ、シュコダなどVW各ブランドに導入が予定される次世代プラットフォームだ。直近では次期『ゴルフ』に使用されることが決まっている。フロントホイールの中心点からアクセルペダルまでの距離など、フロント部のシステムのいくつかの寸法を決めることで、ホイールベース、トレッド、ホイールサイズ、シートポジションなどをフレキシブルに変更できる。

また、パワートレインも、ガソリンエンジンをはじめ、ディーゼル、ハイブリッド、100%電動(EV)、CNGやLPG、エタノールエンジンにも対応可能となる。さらには、FFだけでなく、電動式4WDなど様々な駆動方式を実現することも可能だ。

つまり、異なるブランドやセグメント、国ごとに求められるニーズに、これひとつで応えることができる。これにより車両開発にかかるコストをVWは大幅に削減することが可能となるのだ。

さらにVWグループでは、プラットフォームだけでなく、モビリティの電動化のために利用する充電器やバッテリーシステムもモジュールとして共通化を実施し、効率的な車両開発と生産を実現するという。これを「グループ横断的モジュラー戦略」と呼ぶ。たとえば充電器なら1つ、コンプレッサーやパワーエレクトロニクスなら2つ、エレクトリックドライブなら3つと、モジュールのバリエーションを絞るとともに、これらの組み合わせで『up!』よりも小さな電動コミューターからフルサイズのセダンやSUVのPHVまで対応させるというものだ。

「ごくひとにぎりのコンポーネントで、多様性をお客様のために生み出していきたい」とクレープス氏は説明した。

VWは30日、「VWグループのEモビリティ戦略」についてのプレゼンテーションを実施した。《撮影 鈴木ケンイチ》 VWは30日、「VWグループのEモビリティ戦略」についてのプレゼンテーションを実施した。《撮影 鈴木ケンイチ》 VWは30日、「VWグループのEモビリティ戦略」についてのプレゼンテーションを実施した。《撮影 鈴木ケンイチ》 VWは30日、「VWグループのEモビリティ戦略」についてのプレゼンテーションを実施した。《撮影 鈴木ケンイチ》 VWは30日、「VWグループのEモビリティ戦略」についてのプレゼンテーションを実施した。《撮影 鈴木ケンイチ》