高速バスツアー事故にいたる経緯《出典 国土交通省》

関越道で乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故で、国土交通省はバスを運行した陸援隊(千葉県印西市)の事業許可を取り消す判断を固めた。処分を前提とした聴聞手続きを6月18日に同省関東運輸局で行う。

事故発生後、運輸局は4月30日、5月2日、9日の3日間、立入検査を行った。直近1か月から1年の運行状況から、28項目の法令違反が確認された。

「同じ違反を繰り返し行っていた」と、同省自動車局担当者は指摘している。

行政処分は、あらかじめ点数化された違反を合計し、客観的な処分を通知する。陸援隊の場合、違反点数が累計81点を上回り、事業許可の取り消しに該当した。

同社は社長の針生裕美秀容疑者が5月28日に逮捕されている。聴聞には代理人の出頭や陳述書の提出によって弁明や反論を述べることができる。

このバス事故では、国土交通省は関東運輸局に対して、迅速な判断を働きかけ、通常より早い処分判断が下された。今後の聴聞を経て早ければ7月中にも正式決定する。

陸援隊の主な取消事由は以下の通りだ。

・許可を受けずに車庫の新設、廃止を行った。
・発地及び着地のいずれもが営業区域外にある運送を行っていた。
・一般旅客自動車運送事業の名義を他人に運送事業のために利用させていた。
・運転者の過労防止に関する措置が不適切だった。
・運転者の健康状態の把握が不適切だった。
・点呼の実施及び実施結果の記録が不適切だった。
・乗務記録の記録が不適切だった。
・運行記録計による記録を怠って運行していた事業用自動車があった。
・運行指示書について、
  運行指示署を作成していないものがあった。
  運転者に対し、運行指示書による指示をしていなかった。
  運転者に運行指示書を携行させていなかった。
  運行指示書に記載不備があった。
・日雇いで事業用自動車の運転者を選任した。
・乗務員台帳を作成していない、または記載不備があった。
・運転者に対する輸送の安全確保についての指導監督の実施および実施結果の記録が不適切だった。
・初任運転者に対し、国土交通大臣が認定する適正診断を受けさせていなかった。
・シートベルトの不良など、保安基準に適合しない事業用自動車を運行に使っていた。
・定期点検整備を確実に実施していない事業用の自動車があった。

同省自動車局は、聴聞後に処分が決定した段階で、対象とした違反項目についての詳細を公表する。