富士経済は、自動車やエレクトロニクスをはじめ様々な関連分野の製造工程で溶接や塗装、搬送、組立などを自動化する製造業向けロボットの世界市場を調査した。

調査では、製造業向けロボットを溶接・塗装系、組立・搬送系、アクチュエータ系など4分野に分け、計15品目の2020年までの世界市場を予測した。またロボット構成部材6品目の2020年までの国内市場も予測した。

調査結果によると製造業向けロボットの世界市場は欧米の自動車関連業界の需要回復とアジアの自動化ニーズが急増して2011年に前年比15.1%増の3996億円だった。2012年は、欧米や日本市場の緩やかな拡大と、引き続き中国などアジアの旺盛な需要に支えされて4256億円へと拡大する見通し。2020年予測は6642億円と2011年の約1.7倍を予測する。

溶接・塗装系ロボットはアジアの旺盛な自動車需要を背景に2011年には1643億円、同29.2%増と拡大した。2015年頃には中国が世界最大の市場に成長すると見られ、東南アジアのタイやインドネシアの自動車生産拡大、インド、ブラジルなどの新興国需要が高まり、市場は今後も拡大が予測される。

組立・搬送系ロボットは2011年に1239億円、同19.4%増となった。特に中国では人件費の高騰や、製品品質に対する要求の高まりを背景にロボット需要が急速に高まっており、中国での現地生産に取り組まざるを得なくなっている。

アジアでは、大手EMS、日米欧系企業の現地生産工場と、地元企業の採用が進み市場は右肩上がりの成長を遂げている。

これまで製造業向けロボット市場は、自動車関連、半導体関連、液晶関連などの生産拡大を背景に成長してきた。しかし先進国でのロボット需要は鈍化している。新たな導入分野としては、欧米を中心に「食品・医薬・化学品」分野、アジアを中心にスマートフォン、タブレット端末組立の「コンシューマ機器/用品」分野の成長が予測される。

人の複雑な動きの代替を目的に小型垂直多関節ロボット(スリム・高速・双腕タイプ)などによりさらに自動化を拡大し、非FA領域である業務分野などを狙う方向も予測される。

多品種少量生産主体の先進国では、製品のライフサイクルが短く自動化への設備投資の回収ができない状況も多数見られ、組立工程など人手に頼る分野でロボット化が先送りされてきたものの、今後は多能工のロボットへの代替で市場拡大を模索する動きが強まる見通し。