ダンディライアン、初の1-2フィニッシュ。中央は村岡監督、P1が塚越広大、P2は伊沢拓也。

全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの今季第3戦が大分県・オートポリスで開催され、汗ばむほどの陽気となった決勝の27日、ドコモ・チーム・ダンディライアン・レーシングが初の1-2フィニッシュを達成し、塚越広大が自身初優勝を飾った。

年に1度の九州ラウンドは予選日(26日)、波乱で幕を開ける。オートポリスの路面が再舗装された影響もあって、各陣営はバンピーさが解消された“準・初コース”に対応しつつマシンセッティングを進めることとなったのだが、そのなかでシリーズポイント上位の中嶋一貴、アンドレ・ロッテラー(ともにトムス・トヨタ)、そしてジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)の3人が、中団〜下位に埋没してしまったのだ。

好調の波に乗って予選を戦ったのがダンディライアン・ホンダの2台。塚越&伊沢拓也はQ1〜Q2を連続1-2通過し、Q3でも1-2濃厚な流れのなか、塚越が昨年のオートポリス戦以来のポールポジションを獲得する。悲願の初優勝に向けて、塚越は最短距離につけた。

一方の伊沢は最後のQ3でミスをして4位にとどまる。マシンの仕上がりが絶好なだけに、村岡潔チーム監督も、予選完全制覇を逃した直後は「最後に滑るか〜!?」と悔やんだが、「これも2台両方がトップを目指して、『2位でいい』ということではなく攻めているからこそですよ」と、夕刻にはむしろ前向きな解釈でチームの充実度を語っていた。この日のホンダ若武者コンビは、それくらいの好感触で予選を戦っていたのである。

迎えた翌日の決勝、塚越&伊沢の優位は54周250kmのレースでも崩れなかった。「スタートさえ決めれば、レースでのペースにも自信があった」塚越がスタートでしっかり首位をキープすれば、伊沢も元来「うまい方だと思ってます。狙ってました」と自信のスタートで好ダッシュを披露し、一気に2番手へ。

「エンジニアが最後まで攻めて走れる最高のセッティングにしてくれました」というマシンで塚越が逃げれば、伊沢も「(塚越が)見える位置だったので、出来る限り頑張りました」。チームメイト間の緊張感ある“見えないバトル”は、ピットストップ後のレース終盤も5秒前後の差で続いた。

そして塚越が逃げ切って初優勝。レース後、塚越の「長いレースでした」と、村岡監督の「疲れました」には、いずれも実感が込もっていた。そして、終始笑顔を見せて1-2を喜びながらも、初優勝を果たせずに「正直言うと、悔しさ9割ですけどね」と本音を口にした伊沢の心意気もよし。充実の1-2フィニッシュであった。

ホンダ勢にとっては2010年最終戦の第1レース以来、1年半ぶりの勝利。シリーズ戦とJAF GPを併せて、開催レースにおける対トヨタの連敗を13で止めた。

3位はロイック・デュバル(キグナススノコ・トヨタ)で、4位に松田次生(インパル)。前戦までのシリーズ上位陣では、一貴が5位に入ったものの、ロッテラーはサスペンショントラブルで12周リタイア、オリベイラは1周目の混戦のなかでコースアウト。これで塚越が23点で逆転ランク首位となり、一貴20点、伊沢17点、ロッテラー15点、オリベイラ14点という情勢に変化した。

どうやら、鈴鹿やオートポリスのような中高速コーナーの豊富なコースはダンディライアン・ホンダが優勢、もてぎや富士のような直線+低中速区間+ブレーキング主体のコースではトムス、インパルのトヨタ勢優位な雰囲気が見えてきた今シーズン。残り4戦、得手不得手は2戦ずつと思われる戦況だが、これが第4戦までの1か月半のインターバルでどう変化するか?3チームが展開するであろうチャンピオン争いの焦点のひとつになる。

ウイニングランでは「喜びや、いろんなことを、噛みしめて走ってきました」という塚越広大は25歳。参戦4年目、現チーム2年目での初優勝となった。これで勢いに乗れるか。第4戦は7月14〜15日、富士スピードウェイで開催される。

ポール・トゥ・フィニッシュで初優勝、塚越広大。 ゴール直後の伊沢、塚越、村岡監督(左から)。 左から2位伊沢、1-2勝利の村岡監督、優勝塚越、3位デュバル。 ゴール直後のロイック・デュバル(3位)。 54周のレースを終えたFニッポンマシンたち。 歓喜のゴール! 塚越と伊沢を迎えるチームスタッフたち。 2番グリッド発進の松田次生は1周目に順位を大きく下げるが、最終的に4位でゴール。 中嶋一貴は7番グリッド発進から5位。Fニッポンではデビューした昨年から全レース3位以内を継続中だったが、今回ついに途切れた。 前年王者ロッテラーは今回ノーポイントに終わった。 予選で2番手タイムをマークしながら、リヤウイングの高さが規則に抵触してタイム抹消、17番グリッド発進となった悲運の山本尚貴。9位でゴール。 九州オートポリス戦、スタート前のセレモニー。