トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》

PHVの特徴であるバッテリー単独動力源によるEVモードでは、システム始動直後、いきなり高速道路を100km/hで走行したりすれば、EV走行のカタログ燃費である26.4km/リットルの3分の1の距離も走行しないうちに、自動的にEV走行からHV走行に切り替わってしまう。

このようなEVモードでの単独高速走行であっても、それなりに高速走行に必要な加速性能なども得られる。だが、小型乗用車の動力性能として十分満足というレベルには、やや遠い。また、このような走行は、PHVが備えているメリットを、わざわざ殺してしまうことにもなる。

さらに、PHV用バッテリーの充電は、家庭用電源を対象にしているため、高速道路のサービスエリアに設置されているような急速充電機には対応していないことも、PHVのEV走行が高速走行に適していない理由の一つでもある。

次に、EVが得意とする市街地走行。これも実際の走行条件による違いはあるものの、うまく行けば20km/リットルくらいの走行も可能。EV走行の途中で走行切り替えスイッチを操作し、強制的にEV単独走行からHV走行に切り替えることもできる。この操作によって、EV走行用バッテリーの電気容量をためておけば、EV走行距離を延長することも可能になる。ただし、ガソリンエンジンが低温状態のときは、触媒の反応を含めた暖気する間、エンジン始動直後にエンジンが回転する。そのため、家庭用電源で充電したバッテリーでEV走行可能な距離を連続し続けたとしてもガソリン消費ゼロにはならない。

装着タイヤは、『プリウス』の標準サイズと同様の195/65R15サイズだが、PHVは、HVプリウスのような飛び跳ね感が抑えられており、乗り心地に関する向上度が感じられる。これは、HV対PHVに関する同グレード同士のボディ重量比較として、PHVのほうが70kgほど重いことによる逆効果(好効果?)のようでもある。

パッケージング:★
インテリア居住性:★★
パワーソース:★★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

長嶋達人|自動車ジャーナリスト/国家資格二級ガソリン自動車整備士
東京生まれ。自動車雑誌編集、自動車サービス工場での整備・接客実務などを経歴後、自動車メンテナンス関連記事を中心に執筆。サービス工場勤務時、微妙な振動や音などに関するユーザーからの新車クレームに悩まされた経験が、現在の新型車試乗判断基準の一部にもなっている。国産車・外国車含めて節操もなく多数代替え。これが「自動車ジャーナリストとしての肥し」になっているか否かについては疑問?

トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》