富士経済は、東日本大震災後の電力需給問題を受け、注目度が高まっているエネルギーマネジメント関連の国内市場を調査し報告書「2012エネルギーマネジメント関連市場実態総調査」にまとめた。

調査では、効果的な機器制御を行うための各種センサや通信モジュール、それらを組み合わせてエネルギーの監視・制御をするシステムなど、電力供給サービスを対象に各市場の現状を分析し今後を予測した。また、ネットワーク対応状況、見える化を進化させたエネルギー最適制御への対応状況、センシング&コントロール対応状況についてもまとめた。

調査結果によると「パワーコンディショナ」、「省エネ監視機能付分電盤」をはじめとした機器市場は、2011年に前年比9.1%増の897億円となったが、2020年には3倍の10億円と予測する。

「HEMS(ホーム・エナジー・マネジメント・システム)」、「BEMS(ビルディング・エナジー・マネジメント・システム」、「空調制御システム」をはじめとしたシステム市場は2011年に前年比4.8%増の962億円、2020年には1543億円を予測する。

このうち、HEMSと入退室管理連携省エネシステムは、現状では市場規模が大きくないものの、HEMSはスマートハウス化の進展、入退室管理連携省エネシステムはセキュリティと省エネ監視の連携需要が後押しし、それぞれ今後の拡大が予測されるとしている。

注目市場としてマンション高圧一括受電サービスなどを取り上げた。

2011年末のマンション高圧一括受電サービス契約戸数は、前年比36.4%増の15万戸となった。マンション管理会社やデベロッパーで同サービスへの認知が広がっていることに加え、東日本大震災後はオール電化から同サービスの導入へシフトする動きも見られる。

参入企業はこれまではベンチャー企業や独立系企業が中心だったが、大手資本なども含めて新規参入が増加している。太陽光発電や蓄電池などと組み合わせた創エネ・蓄エネサービス、需要家側に需要抑制を働きかけてインセンティブを得られるデマンドレスポンス(需要応答)サービスなどが登場している。新築マンションでは他物件との差別化につながる可能性がある。

2020年末の契約戸数は、2011年比8.5倍の127万戸を予測。今後注目されるのが、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車への対応。既築マンションに充電器を設置する場合、電気容量の不足が問題となるが、幹線マネジメントを導入することで大がかりな電気容量増設工事は不要となる。

高圧一括受電サービスを導入したマンションは幹線マネジメントを導入しやすいため、電気自動車やプラグインハイブリッドカーの普及が拡大すれば、大きなメリットになる可能性があるとしている。