左から2位オリベイラ、優勝ロッテラー、1-3フィニッシュの舘信秀トムス監督、3位の中嶋一貴。

日本最高峰のレースカテゴリー「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」の今季第2戦は、13日、栃木県・ツインリンクもてぎで決勝を迎え、前年王者アンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)が今季初勝利を飾った。

「ミナサン、アリガトウ!」。Fニッポン参戦10年目のロッテラーは、表彰台の頂点から日本語でファンの声援に感謝した。週末を通じてドライコンディションとなった第2戦、もてぎロードコース250km(52周)の戦いは、後半、2010年王者ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)の追撃を受ける接戦の展開となり、それを凌ぎ切ってのポール・トゥ・ウイン。だから最終タイム差0.659秒という辛勝でも、ブレーキバランスに苦慮した局面があっても、「パーフェクトなウイークエンドだった」とファンに誇れる満足感が、ロッテラーにはあった。

敗れたオリベイラも、「今日はグッド・レーシングだったよ」と晴れやかだ。2連覇を目指すロッテラーと、王座奪還を目指すオリベイラ。やはり、このふたりが概ね順調なレースウイークを過ごすと、アタマひとつからふたつ、抜けている印象がある。それを痛感したのが今回3位の中嶋一貴(トムス)だろう。「後半のペースが良くなかったことは、よく考えなければならない」と話すように、前半は2位を走行しながら、ピットストップでオリベイラに逆転されたのち、2強に大きく離された。

それでもロッテラーに1点差、オリベイラに2点差と僅少差ながら、ポイントリーダーの座を守った開幕ウイナーは、チャンピオン争いの展望について「この先もずっとこの2人とやり合っていくんだと思います。わるいときでも今回くらいのレースができるようにはしていきたい」と、気を引き締め直す。ロッテラーとオリベイラがともに順調な時でも勝てるか、それが一貴初王座への大きな試金石となりそうだ。

4位には伊沢拓也、5位に塚越広大とダンディライアン・ホンダの気鋭コンビが続き、6位は松田次生(インパル)。インパル勢は燃費コントロールが巧く、オリベイラ、松田ともにピットストップで順位をひとつずつ上げた格好だ。昨年〜今年とシリーズ戦で9戦8勝を誇るトムスに対し、このあたりを軸に対抗していきたいところ。ただ、今年は規則等の関係でレース戦略の幅が狭くなったため、予選勝負の色合いが濃くなっている。前日、今回は1台ずつ1周オンリーのタイムアタックによる「スペシャルステージ」方式で争われた予選で、コンマ4秒差にひしめく2〜10位のドライバーたちにコンマ5秒もの明確な差をつけてロッテラーがポールポジションを獲得した事実は、インパル、そしてロッテラーの同僚・一貴にも重くのしかかるか?

第3戦は中1週の強行軍で、九州・大分県のオートポリスに舞台を移し、5月26〜27日に開催される。このままロッテラーが波に乗るか、オリベイラが止めるか、一貴が巻き返すか。まだチャンピオン争いを語る時期ではないが、彼らの戦いの行く末に土曜日の予選から大きな注目が集まる。

激闘を讃え合う、勝者ロッテラー(右)と2位オリベイラ。 今季初優勝のガッツポーズ、アンドレ・ロッテラー。 ポールポジションを奪ったアンドレ・ロッテラーの予選アタック。©MOBILITY LAND もてぎでは8月にもFニッポン第5戦が開催される。 コースインするダンディライアン勢。右が塚越広大、左が伊沢拓也。 2009年王者ロイック・デュバルは、ブレーキ不調に苦しみ決勝11位に終わった。 地元栃木出身の山本尚貴は予選決勝とも7位という結果だった。 ポールポジションでリラックスした表情を見せるロッテラー。 中嶋一貴は2番グリッドからのスタート。 Fニッポン第2戦の表彰式。 もてぎFニッポンはイベントも充実。©MOBILITY LAND