日産リーフのリチウムイオン電池モジュール(参考画像)

富士キメラ総研は、エレクトロニクス分野で使用されている主要高分子材料の世界市場を調査、結果を報告書「2012年版エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」にまとめた。

調査では、半導体分野11品目、実装・基板分野8品目、フラットパネルディスプレイ分野13品目、タッチパネル分野5品目、LED分野5品目、エネルギー・電池関連分野15品目の計57品目の高分子材料市場について、現状を分析して今後を予測した。

調査結果によると、エレクトロニクス分野の主要高分子材料の世界市場は、2011年が前年比7.1%増となる4兆4524億円となった。日本は、東日本大震災を受けて企業が部品材料を確保するために在庫を抱えた反動で、夏以降には需要が急激に落ち込んだ。

世界的には、欧州の景気後退を受けて半導体や太陽電池関連で需要が落ち込んだ品目もあったものの、有機ELや電子ペーパー、タッチパネル、リチウムイオン電池、燃料電池などに関連した品目を中心に拡大した。

2015年の市場予測は6兆7314億円で、2011年から2015年にかけて年率11%程度で拡大していくと予想する。中でもLED照明や液晶ディスプレイバックライト用途が牽引するLED分野や、蓄電、創エネ・省エネを目的に急拡大するエネルギー・電池関連分野などがそれぞれ年率10%以上の高成長を予測する。

注目分野であるエネルギー・電池関連分野では、太陽電池、燃料電池、リチウムイオン電池市場の拡大と連動して、高分子材料市場も成長が見込まれる。

燃料電池用電解質膜、燃料電池用セパレータ、燃料電池用ガス拡散層(GDL)など、大半の品目で2011年から2015年にかけて年率15%以上の成長を予測する。

このうち、太陽電池はエネルギーの固定価格買取制度の見直しにより欧州市場が減少しているものの、新興国でもメガソーラーの設置などが進むなど、世界的に需要が増加している。これに伴って高分子材料市場も拡大する見通し。

また、リチウムイオン電池はノートパソコンやスマートフォンなどに用いられる小型電池に加えて、自動車や産業用といった大型電池の需要増加が見込まれる。高分子材料市場も拡大する一方、大型電池は材料の使用量が多くなるため、コストダウン要求も強まる見られる。

一方、実装・基板分野では今後、ハイブリッド車や電気自動車、スマートフォン、タブレット端末の需要拡大が見込まれる。このうち、2層FCCL(フレキシブル銅張積層板)は、フレキシブルプリント基板向けで3層FCCLからの切り替えが進む見通しから、実装・基板分野の高分子材料で最も高い成長を予測している。