シボレー ソニック《撮影 宮崎壮人》

ブランドは「シボレー」ながら、『ソニック』はアメリカ車ではなく、韓国GM(旧大宇)が生産を手がけるクルマ。近年の韓国車の成長と台頭を知ってはいても、正直言って、走りの性能への期待度は高くなかった。

だが、実際にステアリングを握ってみると……。オプションの17インチタイヤを履いていても足がドタドタ、ゴツゴツする印象はなく、乗り心地はBセグメントの水準を上回るレベル。さらに、しっかり感のあるフットワークや、全般に自然な操舵フィールも光るところで、シャシーの能力は想像を超えるものだった。
 
また、1.6リットルユニットと6速ATのコンビがもたらす加速感もかなり力強く、高速や峠道でもスポーティな走りを楽しむことが可能だ。「ワイルド・コンパクト」のキャッチフレーズや、大胆な内外装デザインから、元気な走りをイメージする人が多いだろうが、ソニックはそうした期待にきちんと応えてくれる。
 
世界戦略車として欧州で走りを鍛えたモデルだけに、走りの実力は日本のBセグメントモデルもうかうかしてはいられないレベルにあるわけだ。また、若者に標的を絞ったモデルと捉えれば、サイバーな印象のコクピットも「個性」として好意的に受け取ることができる。
 
とはいえ、スタビリティコントロールやカーテンエアバッグが標準という点を考慮しても、189万円からのプライス設定に「お得感」はあまりないように思える。欧州のBセグモデルと比べて明らかに劣る内外装のクオリティや、10・15モードで11.3km/リットルという燃費性能(実燃費はそんなに悪くないと思われる)が、日本市場では足を引っ張る要素となる。
 
大きなセンセーションを巻き起こしたいのなら、もっと大胆な価格戦略が必要だろう。

■5つ星評価
パッケージ:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

森野恭行|カーレポーター
生来のクルマ好きで、スモールカーから高級サルーン、高性能スポーツカー、はたまた2〜3t積みトラックまで、機会があればどんなクルマでもとことん試乗をしてきました。出会ったクルマの個性や魅力、そして開発者が担当モデルにこめた情熱などを、新車紹介や試乗インプレッションなどを通して読者の皆さんにわかりやすくお伝えすることを心がけています。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。1963年生まれ。

シボレー ソニック シボレー ソニック《撮影 太宰吉崇》 シボレー ソニック《撮影 太宰吉崇》 シボレー ソニック《撮影 太宰吉崇》 シボレー ソニック《撮影 宮崎壮人》