開幕戦の表彰台。左から2位の塚越、優勝の中嶋一貴&舘監督、3位オリベイラ。

全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの今季開幕戦決勝が、15日、晴天の三重県・鈴鹿サーキットで開催され、昨季はシリーズ2位だった中嶋一貴(トムス・トヨタ)が先勝。参戦2年目の初タイトル獲得に向けて好スタートを切った。

春の好天に恵まれたこの日、17台が挑んだ43周(250km)の決勝レースは、2番グリッド発進の塚越広大(ダンディライアン・ホンダ)がスタートで首位に立ち、これを3番グリッド発進の一貴が追いかける展開となった。

快調に逃げた塚越だが、14周目頃からエキゾーストにトラブルが発生、明らかな異音を発する状態に……。目に見えてペースが落ちることこそなかったが、「パワーが失われている感覚はあった」ということで、一貴との差を広げることができなくなる。さらに、エキゾーストトラブルを抱えたエンジンを保護するため、ピット作業時に燃料を予定以上に補給する必要に迫られ、停止時間が約5秒長引くという事態にも見舞われた。

「前半は塚越が予想以上に速かったですけど、レースでのペースには自信をもって臨んでいました」という一貴がピットで塚越を逆転してトップ浮上。後半は危なげなくその座を堅持し、昨年のオートポリス戦以来となる通算2勝目を達成した。

「チームもピット作業を完璧にこなしてくれましたし、(塚越のトラブルという)運もあったとは思いますが、今日は思い描いた通りのレースができました」。昨年の勝利は同僚アンドレ・ロッテラー(昨季王者)が不在時のもので、予選下位から天候変化に乗じての作戦勝ちという側面もあった。それだけに、「今回の勝ちは意味合いが違いますよね。予選でも他のドライバーと互角に戦っての勝利ですから。1年を戦ううえでも大きいですね。いい流れになったと思います」と、ひときわ充実感の高い勝利であることを笑顔で強調。参戦2年目、自他ともに初王座への手応えを実感できる好内容での先勝だ。

塚越は前日の予選に続く2位で、悲願の初優勝ならず。トップ3記者会見後、恒例の順位を指で示しての撮影時には、思わず「また2だあ(苦笑)」と叫んでしまったほどに「悔しい」敗戦となった。「(次こそ)勝ちたいですね」と、次戦ツインリンクもてぎ、地元での初優勝に向けて捲土重来を期す。ホンダのエースの巻き返しにも、大いに期待したい。

3位はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)。王者ロッテラーは大嶋和也(チームルマン・トヨタ)を抜けずに5位で開幕戦を終えている。またポール発進だった、塚越の同僚・伊沢拓也はスタートでポジションを落とすなどして6位。「スタートもそうですけど、レースでのペースがまわりに比べてもうひとつでした」と敗因を分析。「悔しいですけど、データは取れましたし、これを次につながる一戦にしなければいけないと思います」と、こちらも塚越同様、初優勝に向けて仕切り直しだ。ただ、ダンディライアンの若武者コンビも、流れはわるくない。

第2戦は5月12〜13日に栃木県・ツインリンクもてぎで開催される。一貴が王座に向けて加速するか、チャンピオン経験者たちが立ちはだかるか、あるいは若手が初優勝を果たすのか? 戦い模様は一層、濃密なものとなりそうだ。

マシンを降りて“破顔一勝”の中嶋一貴。 ポールから6位。伊沢拓也には悔しい敗戦となったが、初優勝への糧は得た。 決勝後のパルクフェルメ。前列右端は前年王者ロッテラー、今回は5位。 決勝トップ3。「また2だあ」と、塚越は苦笑しつつ叫んだ。優勝は中嶋一貴、3位はオリベイラ。 開幕戦、ダンディライアン勢がフロントロウを占拠した。 中嶋一貴のグリッドにて。 松田次生は開幕戦を8位で終えることに。 聖地・鈴鹿を舞台に、2012年のFニッポンが開幕した。 星野一義vs中嶋悟のF1対決“最終決着”は、残念ながら星野車のトラブルで中嶋不戦勝のかたちに。 Fニッポン開幕戦鈴鹿、日曜朝のフリー走行。 嵯峨宏紀を擁する陣営は、今季からエントラント名を「とちぎル・ボーセ」として、よりチーム本拠に密着した姿勢で戦う。