左から、今季終盤に参戦予定の佐藤琢磨、初優勝を目指す塚越広大、連覇を期すロッテラー、王座奪還を狙う松田次生(3月4日の鈴鹿第0戦にて)。

いよいよ今週末、現在のシリーズ名称での最終シーズンの開幕を迎える「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」。4年ぶり3度目の戴冠を目指す松田次生に、今シーズンの総展望について訊いた。

「もちろん、常に狙うのは優勝です。開幕戦もそうです」と、さすがは現役最多2度の王座獲得経験を誇る松田らしい意気込み。ただ「優勝狙いにこだわり過ぎて失敗したこともある。だから(勝てない流れのレースでも)とにかく高いポイントを獲り続けること、これがチャンピオン獲得に向けては大切になると思います」と、熱さと冷静さを兼ね備えた決意で、自身3年ぶりのフル参戦シーズンの行方を睨む。

マシンは今年で使用4年目となるFN09。先代のFN06(2006〜08年使用)では、松田はシリーズ2位〜チャンピオン〜チャンピオンという圧巻の成績を残したが、FN09導入初年度の09年は苦しんだ。

「FN06は本当に自分のドライビングスタイルに合っていたと思いますが、今年、3月のテスト(鈴鹿&富士)でFN09に乗って、あらためてドライビングをアジャストする必要を再確認しました」。すでにアジャストの方向も確認済みとあらば、大きな不安はない。
「FN09も4年目ですから、各チームともデータは豊富になってきている。テストでもコンマ1秒タイムが違うと3つ、4つ順位が動くくらいなので、これまで以上に接戦になりますよ、今年は」。だから、「やる方は大変ですけど、観る方にはきっと最高のシーズンになるんじゃないですかね」と、松田は今シーズンの超激戦化に太鼓判を捺す。

FN09導入初年度の09年はナカジマレーシングが圧勝(王者はロイック・デュバル=今季はチームキグナススノコから参戦)。10年は接戦の末にインパル(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がタイトルを奪還。そして昨年はトムス(アンドレ・ロッテラー)が快勝してみせた。09年はナカジマが新車のセッティングの最適解を早期に見出して優位を築いたが、2年目の10年には上位の戦力が均衡化。しかし、タイヤの特性が大きく変わった昨年、今度はトムスが勝利を重ねる結果となった。

「現行タイヤは、予選一発のアタックでしっかりグリップを使い切ることが難しい印象ですね。アタック翌周にはコンマ5秒くらいタイムが落ちるのが本来の流れなんですけど、同じようなタイムが出てしまうことがある(=アタックでグリップを使い切れていない)」と、松田は今のタイヤの特性を説明する。これについてもすでに傾向はつかめたようだ。

あとは対策の是非を実走して確認すればいい。「開幕戦は金曜も走れますからね。ニュータイヤは使えないとしても、大きいですよね」。昨年は特別戦のJAF GPでしかFニッポンを戦っていない松田だけに、3月のテスト時に豪雨によってキャンセルされた分の時間が開幕戦の金曜に組み込まれたことは、大いなる助けとなりそうだ。もちろん条件は皆一緒の話だが、松田+インパルは、こういう時間を誰よりも有効に使ってくるはずだから。

4月13日(金曜)のFニッポンのフリー走行は、16時00分〜17時30分の予定。翌14日が予選、そして15日が決勝というスケジュールで、2012年Fニッポン開幕戦「SUZUKA 2&4 RACE」はクライマックスに向かう。

王座奪還を目指すインパル陣営。手前右が松田次生(3月4〜6日の鈴鹿第0戦&合同テストにて)。 今季はカーナンバー1で走るアンドレ・ロッテラー(3月4日の鈴鹿第0戦にて)。 3月26日、神宮外苑でのFニッポン全体発表会。 3月26日、神宮外苑でのFニッポン全体発表会。 松田次生選手《撮影 高木啓》