講演のようす(IAAE12)《撮影 土屋篤司》

環境配慮への取り組みを収益に結びつける…自動車補修用水性塗料の普及においては、この点が課題となり、各社は慎重になる。

環境対応策を講じ、企業として従業員や周辺住民に配慮していきたいという想いは、少なからず各社が持っている。しかし、この想いを実際に数字や作業に落とし込む過程で、多くのハードルをクリアしなければならない。

IAAE12ではそのハードルを乗り越える事にチャレンジし、実際にクリアしている企業が登場した。

◆ヤナセオートシステムズ

ヤナセオートシステムズは、2011年4月にヤナセの鈑金塗装事業を分社化し、全額出資の子会社「ヤナセオートパーツ」に事業を移管、現名称に社名変更した。全国の直営工場は10拠点、協力工場は約200拠点。

2007年4月にデュポンと協力関係を締結し、水性塗料「スタンドハイド」を導入。導入後に起きた様々な要因により、100%水性塗料への切り替えには至らず、現在は埼玉県戸田市の同社工場でデュポンの水性塗料「クロマックスプロ」の導入を開始している。

ヤナセオートシステムズの早川卓史氏は、クロマックスプロを使用していることについて、「溶剤から切り替えるときに、どのメーカーを選ぶかは関係ない」と強調した。これは、環境配慮としての水性塗料導入を成功させるには、各社の工夫が重要であることを示している。

ただその工夫は簡単ではない。「まだまだ(調色などに使う)カラーサンプルは足りないと感じる」と述べた。

◆ホンダボディサービス栃木

ホンダボディサービス栃木の長嶋敏専務は、同社でBASFの水性塗料「オニキスHD」を用いているという。水性塗料使用の背景にはVOC削減といった環境配慮はもとより、スタッフの想いも推進力になったと話す。

長嶋氏によれば「いずれ法規制が実行されるのであれば、早い段階で水性塗料を導入して自らのアドバンテージにすべき」という狙いもあった。

同社では、水性塗料導入後、5か月でVOCを50%以上削減した。「コストは増加するが効率、売上アップは工夫次第」と長嶋氏。

「一般的な鈑金塗装のイメージは3K、4K。塗料の水性化で企業の認知や、環境問題への対応をアピールし、企業、業界のイメージを変化させるというチャンスにつながっていくのではないか」とした。

講演のようす(IAAE12)《撮影 土屋篤司》