アウディA7スポーツバック《撮影者 松下宏》

アウディ『A7スポーツバック』は『A6』をベースに作られたクーペ風の4ドアというか5ドアハッチバック車だ。スポーツバックという名前が示すように、後部にハッチバックドアを持つ。

なだらかな傾斜を持つルーフラインは正にクーペ風のもの。メルセデスベンツの『CLS』やフォルクスワーゲンの『パサートCC』などのようにスタイリッシュな外観を持つクーペ風4ドア車を狙っている。

低く構えたボディは伸び伸びした感じでカッコ良いが、全長が5mに近く、全幅も1900mmを超えるボディはさすがに大きい。最小回転半径も5.7mと大きめなので、日本では駐車場事情を考慮した上で買わなければならない。

全高が低いものの乗降性には特に不満はなく、室内に乗り込むとインテリア回りの雰囲気の良さはさすがにアウディの上級車という感じである。

後席の空間はボディサイズの割には広くはないが、逆にボディサイズによって大人がゆったり乗れる空間がある。何しろこのサイズで4人乗りなのだからゆったりも当然だ。

リヤゲートはやたらと重い。電動オープナーが付いているから良いが、そうでなければ開け閉めできないくらいの重さなのだ。この重さやゲートの枠の重さなども全体の重量に影響しているのだろう。

搭載エンジンはV型6気筒の直噴+スーパーチャージャー仕様。220kW/440Nmのパワー&トルクを発生する。A7スポーツバックは前述のバックドアに加え、大柄なボディの4WD車であるため車両重量が1920kgと相当に重いのだが、このエンジンの動力性能は余裕の実力と言って良い。

スーパーチャージャーによってスムーズな発進加速が得られ、そのまま滑らかに加速が伸びて速度に乗っていく。余裕を感じさせるこの走りの感覚はいかにも上級車らしいものだ。

スタート/ストップ機構の装着で10.0km/リットルを超えるモード燃費を得ているが、この機構が特徴的で、簡単にはエンジンを再始動させない。左足でブレーキペダルを踏んでいると、ステアリングの操作やアクセルペダルを踏んでも再始動しないからだ。

タイヤは標準が19インチで試乗車には20インチの35タイヤが装着されていた。足回りは電子制御で切り換えが可能であるものの、この偏平率だとさすがに乗り心地は硬い。コンフォートを選択してもまだまだ硬いのだ。買うなら標準仕様の19インチのままにしたほうが良さそうだ。

車両価格は879万円。試乗車には前述のタイヤのほか、サンルーフ、LEDヘッドライトなどのオプションが装着されて950万円の仕様になっていた。簡単に買えるクルマでもないし、たくさん売れるクルマではないと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

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