帝国データバンクは、2011年に本社移転が判明した企業を集計し、全国および東北被災3県の状況、業種別、年商規模別に分析した。

2011年に市郡を越えた実質本店の移転(一部移転も含む)、東京特別区含む本社移転が判明した企業数は1万0621社で、前年比5.8%増となった。

2009年の1万0534社を上回り、過去5年では最多となった。2011年に本社を移転した企業のうち、東日本大震災の影響が大きい東日本から西日本への本社移転判明は111社だった。東日本大震災による甚大な被害を受けて被災地から移転した企業のほか、震災後の関東圏の電力不足を懸念し、リスク分散の観点から本社機能の一部を移転した企業も散見された。

2011年の全国の転入超過・転出超過企業数では、転入超過は東京都江東区の60社、神奈川県横浜市の26社など、789地域で、全体の67.6%を占めた。これに対して転出超過は大阪府大阪市の147社、東京都中央区の108社など、378地域で全体の32.4%だった。

転出超過の上位地域をみると、各都道府県の中心地で転出が目立ち、各地にある利便性が高く、ステイタスも高いといわれる土地からも企業は活発に本社を移転している。

また、岩手、宮城、福島3県の転出超過企業数上位を見ると、福島第一原発のある福島県双葉郡が27社で最も多かった。次いで宮城県石巻市の14社が続くなど、津波の被害が大きかった太平洋沿岸部の企業が目立つ。

岩手、宮城、福島3県の主な転入転出企業で最も事業規模の大きい企業は、神奈川県相模原市から宮城県黒川郡に移転したトヨタ自動車系のセントラル自動車。他に神奈川県愛甲郡から宮城県黒川郡に移転したC&D、福島県西白河郡から長野県北佐久郡に移転したシチズンマシナリーミヤノなど。

業種別では、ソフトウエア業が613社でトップ。事業サービスや非営利的団体、一般貨物自動車運送、経営コンサルタントなど、固定設備の少ない業種が上位を占めた。年商規模別では、年商10億円未満の中小企業が9019社で全体の84.9%を占めた。