小宮山洋子厚労相(6日・衆議院)《撮影 中島みなみ》

小宮山洋子厚生労働相は、AIJ投資顧問(東京都中央区)による約2000億円の企業年金資産消失問題を受けたPT(プロジェクトチーム)のトップを、発足から1週間で年金局長から副大臣に格上げすることを明らかにした。

年金局長をトップとしたPTは5日に発足。6日の閣議後会見で小宮山氏は「実務的に調査を開始するところは局長をトップに速やかに立ち上げたが、(その後は)政治が判断しなければならないことも多いので、辻泰弘副大臣にトップをお願いしたいと私から要請した」と語った。

AIJ投資顧問の資金消失問題には、旧社会保険庁のOBが同社への資金委託に大きな影響を与えていたとされる。運用実態の不明確なAIJに対して、OBが設立した年金コンサルタント会社が、かつての人脈を利用して、運用委託を勧めていたという指摘がある。

ただ、小宮山氏は「原因が“天下り”という人の動きだと思われることが好ましくない。いいことではなので、実態を見た上で対応したい」と述べるに留まった。

このPTを立ち上げた目的については「天下りの実態がどうであるかの調査をプロジェクトチームでするのだが、一般の受け止めとして天下りがいたからこういうことを誘発したといわれるのは好ましいことではない」と、責任の矛先が厚労省に向けられることへの火消しに回る格好だ。

PTでは天下り職員の実態調査を進める一方で、厚生年金基金の運用体制が適切かどうかを、企業年金全体の問題として捉える方向。同省が策定した年金資産運用のガイドラインの見直しも含めて、有識者を交えて議論する。6月までに結果を出す。

「厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン」は資産運用関係者の役割と責任を明確化して、基金が自己責任の下で自主的に運用を行うことができる環境を整備することを目的に、97年に制定された。

AIJ投資顧問(東京都中央区)《撮影 中島みなみ》 AIJ投資顧問(東京都中央区)《撮影 中島みなみ》