日産自動車・高橋雄介執行役員≪撮影 小松哲也≫

日産自動車の高橋雄介執行役員(人事担当)は15日、横浜市にある本社で報道陣と懇談し、今春闘交渉について「交渉環境は昨年より厳しいと認識している」との考えを示した。

日産の2012年3月期の連結純利益予想は2900億円と前期比9.2%の減益ながら国内自動車メーカーでトップの利益を確保する見通し。しかし高橋執行役員は「一見、今年度の見通しは良いようにみえるが、会社の認識としては来年度以降に向けてグローバルに考えると楽観視できない」と指摘。

その理由として「フォルクスワーゲンやヒュンダイ自動車をみると高い利益率をさらに高めながら販売台数を大きく伸ばしている。我々は円高を始めとする六重苦といわれるハンディを背負いながら、そうした海外のライバルとも戦っていかなければならない。また日本をみてもトヨタ自動車、ホンダなど各社が猛烈な巻き返しを図っている状況にある」ことなどをあげた。

その一方で「東日本大震災、夏季節電対応、タイの洪水対応等、従来の年には無かったような困難に従業員が多大な努力をもって成果を上げてくれた。そのバランスをどう考えていくか、今後論議していきたい」とも述べていた。

日産自動車の労働組合が同日、会社側に示した主な要求内容は5.5か月分の年間一時金で、賃金改善に関する要求はしていない。前年の春闘交渉では5.5か月分の年間一時金要求に対し、会社側は満額回答している。