【トヨタ プリウス 試乗】乗り心地が激変、今こそ買い時!?…青山尚暉《撮影 青山尚暉》

『プリウスα』じゃなく、今さら『プリウス』?

そうでもないんです。プリウスはモデル中期のマイナーチェンジ(MC)ながら大きく変貌。しかーし、そのハイライトはカタログに一切触れられていない部分にある!!

プリウスはMCでフロントバンパー、フロントグリル、アンダーグリル、ライト類、15インチタイヤのホイールキャップ、インテリア、エコドライブモニターの内容などを変更、追加。ただ、それだけで全グレードともに7万〜12万円の価格アップはちょっと納得しがたいものがある。が、実際にはコストアップに直結する走り、走りの質感、燃費にかかわる部分に関して目に見えない大きな改良が施されている。

まずはスポット増しなどによるボディ剛性の強化。これによってダンパーの減衰力を下げることができ、乗り心地面で有利になり、操縦安定性に大きく影響するリヤの収まりも向上。具体的にはフロントサス回り(ボディ前部分)、フロアトンネル(ボディ中央部分)、リヤドア回り(リヤ部分)に手が入り、これでボディ全体の剛性が高まったわけだ。

しかし最大のポイントは、MC前のモデルで一部上級グレード、「G」と「S」グレードのソーラーパネルムーンルーフ付きモデルにのみ採用されていた、コストのかかった、路面からの振動を抑え乗り心地と静粛性に効く入力分離型アッパーマウント+ショックアブソーバーが、全車に奢られたことだ。また、フロント周りの遮音性を高め、エンジンの吸気系を改良することで全こもり音を低減させ、全体的な静粛性を向上させている。

さらに空調使用時の燃費に関して、最新の『アクア』のノウハウを取り入れ、より早く、より長くエンジンを停止。結果、さらなる実燃費向上を果たしているという。メーカーオプションのナビはITS技術を活用して安全ドライブをサポートするDSSS内蔵のモデルにアップグレード。最新の『アルファード』&『ヴェルファイアHV』にも採用されたナビ画面上の新エコドライブサポートシステム「ESPO」も加わった。

さて、新型プリウスに乗ってみると、なるほど、乗り心地の良さに納得だ。MC前のモデルはとくに段差越えで安っぽい乗り心地を示したものだが、今やガッチリしたボディ、しっかりしたサスペンションによってこれまで気になっていた不快なショック(と音)は見事に遮断されている。うねり路でもボディのねじれを感じにくくなり、フラット感ある乗り味になっている。それに一段と高まった静粛性が加わり、走りの質感は飛躍的に向上している印象だ。もっとも、素晴らしく乗り心地がいいか? と言えば、MC前にくらべればずっといい……、というイメージ。たとえば『カムリ』HVの域には達していない。

それでも、これまでプリウス購入の決断を阻んでいたものが、試乗して気づいた粗い乗り心地であったなら、今こそ買うタイミングと言える。でも、なんで最初からこの仕様じゃなかったんでしょーね?

ところで、ワゴン/ミニバンタイプのプリウスαじゃなく、プリウスのペットフレンドリー度はどうか? ハッチバックタイプのクルマだから、中大型犬を乗せるなら後席に限定されるものの、実は後席座面の地上からの高さが590mm(座面中程部分。スバル『レガシィツーリングワゴン』の荷室開口高と同等)と低いため、乗り降りしやすいのだ。まぁ、後席のシートの高さ(ヒップポイント)は例外的に前席に対して−5mm(普通は視界を確保するため高くなっている)。人間なら沈み込んだ着座姿勢……、という印象になるわけだけど、犬の乗降に関してはプラスに働いているわけだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフジャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組も手がける。

左がMC後のモデル。全体的な印象はまったく変わらない。《撮影 青山尚暉》 ヘッドライト、バンパー、フォグランプなどが変更されている。《撮影 青山尚暉》 【トヨタ プリウス 試乗】乗り心地が激変、今こそ買い時!?…青山尚暉《撮影 青山尚暉》 リヤコンビランプのデザインも変更されている。《撮影 青山尚暉》 【トヨタ プリウス 試乗】乗り心地が激変、今こそ買い時!?…青山尚暉《撮影 青山尚暉》 15インチのホイールキャップも新デザイン。《撮影 青山尚暉》 メーターにはEV表示を追加。ディスプレイの内容もアップグレード。《撮影 青山尚暉》