田中貴金属工業は、2011年のプラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。

プラチナの2011年1年間における国内平均価格は4522円/gで、10年の年間平均価格4635円/gを100円程度下回った。

11年初め、南半球で発生した豪雨による南アフリカの電力供給懸念などから高値で推移してきたプラチナ価格は、3月に、東日本大震災による日本の経済活動停滞不安や、被災による自動車生産の低迷懸念を背景に一時4408円/gまで下がった。

4月から、下落局面での中国の宝飾需要の増加や好調なインド・東南アジアなどのアジア圏での自動車需要などにより、11年の最高値である5054円/gをつけるなど高値圏で推移してきた。

9月に入ると、欧米の景況不安による、自動車販売の鈍化と工業用需要の先行き不安から価格を下げ、9月26日には、1992年1月以来(当時プラチナ価格1477円/g、金価格1479円/g)19年ぶりにプラチナ価格が金価格を下回った(2011年9月26日プラチナ価格4059円/g、金価格4128円/g)。

その後も、7月下旬から始まったタイ洪水の深刻化が、タイに工場を持つ日系自動車メーカーを含む多くの日系企業に被害を及ぼしたことにより、工業用需要が引き続き低迷するとの観測から、12月には09年7月以来2年ぶりに3700円/gを切る3626円/gをつけた。

プラチナ地金の販売量について、11年上期(1〜6月)は、前年同時期に比べ29.5%減少だったが、下期(7〜12月)は、前年同時期に比べ3.2倍に増えている。通年では、2010年に比べ59.4%の増加。

買取量について、11年上期(1〜6月)は、前年同時期に比べ27.6%の減少で、下期(7〜12月)は、前年同時期に比べ0.9%の増加となる。通年では、2010年に比べ17.4%の減少。

プラチナ価格が金価格を下回っている値ごろ感から、国内投資家のプラチナ投資に対する関心が高まり、取引が活発になったことがうかがえる。田中貴金属工業では、プラチナ投資が活発になる中、今後は欧米、日本など先進国の自動車販売の回復や、南アフリカ電力会社の電力供給動向、金価格とプラチナ価格の価格差などに市場の注目が集まることが予想されるとしている。