昨年5月、大阪府大阪市浪速区内の国道25号を自転車で強引に横断し、衝突を避けようとしたトラックの路外逸脱事故を誘発、2人を死亡させたとして実刑判決を受けた61歳の男に対し、大阪府警は19日、男が持つ運転免許を180日間停止する処分を実施した。自転車事故でクルマの免許が停止されるのは全国で2例目となる。

この男は2011年5月12日の午前8時55分ごろ、大阪市浪速区日本橋東3丁目付近の国道25号で安全確認をすることなく漫然と横断。対向車線側の第2車線を走行してきたワゴン車に急ハンドルを切らせ、このクルマを避けようとした第1車線のトラックが歩道に乗り上げる事故を誘発し、2人を死亡させたとして重過失致死容疑で起訴された。

ワゴン車とトラックの運転者については不起訴となったが、大阪地裁は昨年11月、事故は自転車の男が誘発したものと認定し、禁錮2年の実刑判決を言い渡している。

警察では男が捜査過程で「これまでにも同じような横断を何度もしている」と供述したことを重視。クルマでの違反は過去5年で1回のみだったが、「交通法規の遵法意識に欠け、クルマでも同様の無謀運転を行う可能性が高い」と判断。男が持つ中型免許について、19日から180日間の免許停止処分を実施することを決定し、刑務所が預かっている免許証の提出を受けた。

道路交通法では自転車で事故を起こした場合であっても、危険な運転と認められた場合には自動車運転免許の停止処分が行えると規定されており、今回はこれに則った措置。180日間の停止処分は男の服役期間中と重なっているため、出所時まで免許期限が残っていれば、その時点での運転は可能となるが、失効した場合は再取得が必要となる。

自転車での事故が原因で、自動車の運転免許が停止となるのは全国で2例目。最初の適用事例となったのは、2005年11月5日に北海道札幌市西区内で発生した自転車での飲酒ひき逃げ死亡事故だという。