東京商工リサーチは、「返済猶予」利用後の倒産動向調査結果を発表した。

2011年の中小企業金融円滑化法に基づく返済猶予利用後の倒産件数は、前年比204.0%増の149件と急増した。上下半期では、2011年上半期(1〜6月)が50件だったのに対して、下半期は99件と倍増した。これは9月に月間ベースで集計開始以来最多の25件発生するなど、年後半にかけて金融支援効果が薄らいできたためと、見られる。

負債総額は同262.6%増の1113億0200万円にのぼった。これは負債10億円以上の大型倒産が24件と2.4倍に増えたため。

産業別では、建設業が45件で最も多く、全体の3割を占めた。次に製造業の33件、卸売業の30件、小売業の16件、サービス業他の13件、運輸業の10件と続く。細かな業種別では、総合工事業の21件を筆頭に、職別工事業15件、飲食料品卸売12件、設備工事業9件、道路貨物運送業8件の順。

円滑化法に基づく返済猶予を利用した企業で、東日本大震災で取引先の被災や資材・商品不足、消費自粛による売上減少などが影響した「震災関連」倒産は24件だった。

形態別では、破産が82件で過半数を占め、厳しい経営環境を浮き彫りにした。銀行取引停止処分が43件、民事再生法18件、内整理5件、特別清算1件だった。

円滑化法は、中小企業の資金繰りを緩和して倒産抑制に効果を発揮したものの、昨年7月以降は返済猶予利用後の倒産が増加が目立つなど、効果が一巡したが金融庁は2012年3月末で期限が切れる円滑化法を1年延長する方針を表明した。ただ、今後は企業からの返済猶予などの条件変更要請を金融機関が拒否することが増加する可能性もある。