東京商工リサーチは、2011年に早期退職者募集を実施した上場企業の調査をまとめた。

上場企業で希望・早期退職者を募集したのは、情報開示後に上場廃止した3社、法的手続きを申請した1社を含む58社だった。前年の85社と比べて27社減少した。

これは震災の復旧対応を優先して実施を踏みとどまる企業が多かったためと見られる。情報公開日をみると、募集実施企業は3月までは27社にのぼり、先行きが懸念されたが震災発生後の半年間は20社にとどまった。

募集人数の合計は、情報開示した52社合計で8623人となった。調査を開始した2000年以降では、2008年の8979人以来、3年ぶりに1万人を下回った。

個別企業で募集人数が最も多かったのは、リコーでグループ会社を含む1600人を募集した。次いでルネサスエレクトロニクスでグループ会社を含む応募人数が1487人、日立無線グループの650人と続く。募集または応募人数が100人以上は19社だった。

産業別では、最も多かったのは電気機器の13社で次に情報・通信の10社、その他製品が6社と続く。特別退職金などの割増支出による特別損失額(見込み額を含む)は、開示した44社合計で575億3100万円となり、特別損失額10億円以上は10社にのぼった。

一方、薄型テレビ事業の不振などで業績が悪化しているパナソニックは、組織統合に伴う合理化の一環で、今後3年間でグループの従業員数を約3万5000人以上削減すると発表。電子部品大手のTDKは、今後2年間をめどに国内外のグループ全体で約1万1000人の人員削減を明らかにした。急速な円高に伴い国内生産の縮小と海外シフトに拍車がかかっている。今後は震災の影響もあり、上場企業の希望・早期退職者募集は増加することが懸念されている。