ダイハツ・ミライース《撮影 宮崎壮人》

大は小を兼ねる、という言葉は日本人の心の中に根付いていて、軽自動車も規格サイズぎりぎりまで大きく育ったけれど、でも反対に失ったものは燃費。大きく重ければ悪くなるのは当然で、しかも、大きい分、鉄も使えば道路への負担も大きい。

それってエコ的にもよくないんじゃなくって? かといって、じゃ、一人で乗ることがほとんどだからと、2シーター基本の「下駄」にしてしまえば、それはそれで不便。つまり、人が欲するジャストサイズというものは、必ずあるのである。

そこにいち早く取り組み登場した『ミライース』。たしかに見た目はしゅっと小さい。でも運転席はもちろん、後部座席も十分に広い。小さくしてもこれだけあるのかと、軽自動車の実力には恐れ入る。しかも、アイドリングストップまでつけてくれて、この大盤振る舞いはどうよ? 軽自動車はただ小さくて安いだけでなく、実は技術の結集作品なのである。

走らせてみると、そりゃ、3気筒エンジンだもの、ぱふぱふと音はしますよ。振動吸収のブッシュもケチらなきゃいけないから、アイドリングストップで再始動するたびに、ぷるるんとしますよ。サスペンションもちょっと固いかなーと思いますよ。だけど、それがなにか? という思いです。

だって、小さくて燃費がよくて、安いクルマを待っている人は日本全国たっくさんいるんですもん。1万円、高くなるくらいなら、エンジン再スタートでぷるぷるするくらい、どってことないですよっていうユーザーはたくさんいるんですよ。そりゃ、ないほうがいいけどさ。でも、ユーザーが本当に求めている質と価格をバランスさせることこそが、メーカーのやることだと思うわけです。

ちなみに、2011-2012の日本カーオブザイヤー、私の満点は、このミライースです。今の日本に必要な一台は、このクルマだと思います。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省 安全基準検討会検討員他、委員を兼任。

ダイハツ・ミライース《撮影 宮崎壮人》 ダイハツ・ミライース《撮影 宮崎壮人》 ダイハツ・ミライース《撮影 宮崎壮人》 ダイハツ・ミライース《撮影 宮崎壮人》