詳細地図をダウンロードして縮尺を上げていくとこのような表示も可能だ。

カーナビ専用機の機能と使い心地をiPhoneアプリで再現した『NAVIelite(ナビエリート)』。高価であっても高い人気を誇る実力派のアプリだ。インプレ後編では、これまで重ねてきたバージョンアップのポイントについて解説する。

◆細部の作りこみと地図データの更新にメーカーの意気込みを感じる

カーナビメーカーならではのノウハウは、気づきにくい気配り的な機能や細部の作りこみにもあらわれている。たとえば、NAVIeliteはDoor to Door案内を標榜しており、裏道に入っても目的地の30メートル手前まではガイドをやめない。あの「目的地付近です。案内を終了します」というセリフに腹をたてることもない。

交差点拡大機能にしても、地図画面は自車位置固定でスクロール、拡大図は地図が固定表示で自車位置が動く。しかも拡大図はわかりやすく描かれた専用の図。さらに、拡大表示をキャンセルするボタンもついていて、これが信号待ちなどで地図を確認したいときに非常に便利だ。交差点拡大機能といっても倍率の違う地図を並べて表示するだけの単純な機能になっているナビアプリもあるが、NAVIeliteは入念に作られていることが分かる。

地図データについても特筆しておきたい。ナビアプリでは地図が無料で更新されるのが当たり前になっており、それがPNDや高価なカーナビ専用機に対してのアドバンテージとなっている。しかし、最近はカーナビ専用機も対抗策を打ち出しており、最初の数年は無料で地図更新ができるサービスを付帯した機種が増えている。そのため、熾烈なライバル闘いの焦点は「地図を更新できるか」から「いかに早く更新できるか」という地図の鮮度という部分に移ってきている。

そんな中で、NAVIeliteの地図更新は非常に早い。カーナビ専用機はほとんどが年に1度の更新なのに対してナビアプリは随時更新ができるのだが、そうはいっても一般的なナビアプリでは、新しい道路ができてから地図に反映されるまで半年かそれ以上も待たされることが珍しくない。しかし、NAVIeliteは大抵の場合、2〜4ヶ月程度で地図に反映される。他社のナビアプリの場合、その都度地図を通信で取得するものもあるため、必ずとは言えないのだが、これまでの例ではライバルのナビアプリより圧倒的に早かったことが多いのは確かだ。


◆度重なるバージョンアップで弱点解消・機能向上

NAVIeliteはiPhoneアプリとしては非常に個性派といえる。使っていても「iPhone臭さ」が全く無いことは多くの人は認めるところだ。それゆえに優れているとも言えるのだが、逆にはっきりとした弱点も幾つかある。要するにいいところ、悪いところがはっきりしているのだ。

しかし、弱点のうち主なものはバージョンアップによりかなり解消してきた。NAVIeliteは年間6回も地図が更新されるが、その時にアプリ自体もバージョンアップすることが多い。しかも、その変更点がいずれもユーザー目線からの弱点の解消、使いやすさの向上になっている。これほど実のあるバージョンアップをしてくれるiPhoneアプリもまた少ないだろう。

これまでのバージョンアップで解消された弱点を幾つか上げてみよう。初期バージョンの印象を引きずっている人にはぜひチェックして欲しい。

まずインターフェースでは、地図の拡大、縮小がボタンによる操作だけだったのを2本指によるピンチ操作に対応。地図スクロールも8方向スクロールを廃止してフリック操作に対応するなど、iPhoneの操作方法に近づけた。到着予想時刻が見にくいアナログ表示だったのをデジタル表示に変更、音声案内も聞き取りやすいように何度か変更している。

目的地の検索では、当初は外部のデータと全く連携できなかったのに対して、最新バージョンはiPhoneの連絡先アプリの参照、位置情報を含む写真の参照、ガイドブックアプリの「ことりっぷ」からの参照ができるようになった。また、目的地の情報をメールで送信する機能が追加され、待ち合わせもしやすくなった。

機種交換やトラブル時に備えるため、メモリ登録した目的地情報をサーバーにバックアップできるようになった。そのほか、走行軌跡データをファイルに出力できるようにもなっている。

ほかにもたくさんあるが、主なものは上記のとおりだ。これらのバージョンアップのお陰で、初期バージョンにあった、理不尽とも言える我慢を強要される場面、たとえばパソコンで目的地を見つけてもそれをNAVIeliteに転送する方法がない、といったじれったさはほぼなくなった。

もっとも、最新バージョンでも徒歩ナビができない、縦画面に対応しないといった、ほかのナビアプリでは対処されている弱点も残ってはいる。また、7インチクラスのディスプレイ向けに作りこまれたインターフェースはボタンが小さくて操作しにくいといった指摘も当初からある。しかし、これらは純正カーナビからの移植であるというNAVIeliteの特異性を考えれば、やむを得ないところ。

徒歩ナビができないというのは、そのような使い方が多いユーザーにとってみればたしかに痛いが、ちょっとした電子地図として利用する分には何ら問題はない。縦画面や徒歩ナビへの対応をスッパリと割り切り、自動車用ナビとして使い勝手とUIを徹底的にこだわっているのはNAVIeliteらしい部分でもある。

ガイド中の画面。地図表示は真上から見た2D表示とこのような3D表示、さらに2Dツイン、3Dツイン、高速道路マップを選択できる。 交差点拡大図はこのように表示される。右端のバーグラフは曲がるポイントまでの距離を表示する。 複雑な交差点が連続する場所では自動的にこのようなレーンの案内が表示される。ボタンで解除したり、設定で最初から表示されないようにすることも可能だ。 これはNAVIeliteが発売された当初のガイド画面。次の画像と見比べて欲しい。 最新バージョンの画面。前の画像と見比べると地図の解像度が上がり見やすくなっている。縮尺表示の下に追加されたドットはGPSの受信状態。到着予想時刻は見やすいデジタル表示になった。初期バージョンにはなかった走行軌跡も表示されるようになった。 検索した目的地の場所をメールで送信できる。送信するメールにはタップするだけでNAVIeliteに目的地設定できるリンクと、Googleマップのリンクも記載される。つまりNAVIeliteを使っていない人にも送信できるわけで、これは親切だ。 目的地検索に新設されたクロス検索によって、連絡先アプリから目的地を選択できるようになった。ジオタグ付きの写真やことりっぷの参照もできる。 メモリ地点をサーバーに保存したり復元できる。機種交換や故障時の交換修理時に便利な機能だ。 目的地を検索した時、その上方を表示させ、さらにそこからブラウザを起動して目的地の詳細なデータを調べられるようになった。 走行軌跡ファイルの使い方がややわかりにくいが、NAVIeliteで出力の操作をしてからiTunesでパソコンに転送するようになっている。 走行軌跡データファイルをクリックすればGoogleアースが起動し、このように走行軌跡が表示される。 ほかにも機能は非常に豊富。設定項目などはあまりに多いので、それぞれの項目を解説する「ヒントモード」まで用意されている。 draibrain NAVIelite/NAVIelite mini NAVIeliteロゴ