ホンダ CR-V 新型

ホンダは4代目となる新型『CR-V』を発売。CR-Vの開発リーダー外村明男氏は、10年間第3期ホンダF1チームで車体開発に携わったメンバー。2008年12月のホンダF1撤退発表から3年、CR-VにはF1開発の経験が反映されている。

外村氏は、F1開発の中で、動力性能、運動性能、空力などを輪で表現した場合、それぞれ一個一個の性能をアップして大きな輪にすることの難しさを経験したことから「車はバランスが命」と語る。外村氏に新型CR-Vの開発について伺った。

●量産車もバランスが大事

--- CR-Vはグローバルカーとして展開している訳ですが、それぞれの市場のニーズを一つの車で満たすことについて難しかった点は?

「CR-Vは世界160か国で販売されており、各地域の声を聞いているだけでは1台には仕上がらない。最大公約数のところでコンセプトを練り、それがほかのところで通用するのかを検証することになります。具体的には、アメリカで22万台、中国が14万台といったところなので、北米の声を聞きそのなかでコンセプトを練り、それが全世界で通用するのかをみます」

「その前に、CR-Vで何を訴求したいのかというコンセプトを明確にしなければなりません。CR-Vの“いつでも、どこでも、楽しく”というところを練り上げ、そのなかに最大公約数の意見を盛り込めるのかを確認しました」

--- ユーザーはホンダやCR-Vに何を求めている?

「ホンダというブランドに対して世界的に求められているのは“信頼性”ですね。“全然壊れない”といったイメージで捉えられています。一方、CR-Vとなると、初代もそうでしたが“気軽に乗れる”と、日常生活の中で“どこに行っても、ちゃんと走ってくれる”ところが魅力になるんだと思います」

--- 新型CR-Vのキーワードとなるのは?

「“ベストバランスカー”これにつきます。3代目が非常にいい車だったので、これをもう一回ワンランク大きくするには、いろんなところのバランスを取っていかないと、バリューフォーマネーの満足のいく車に仕上がらないと考えました」

●F1開発で得たもの

--- F1開発の経験を反映できたところは?

「空力関係ですね、これから量産車の至る所に入ってくる技術だと思います。いままで乗用車で空力技術といっても“100km/h以上でしか効かないよ”って言われていましたが、車は動いているものなので空力のバランスは変わります」

「例えば、直線からブレーキングしてターンインした場合、車の姿勢や向きが変わるとともに空力の重心も変わり、それはわずかな量でも実はドライバーは感じとっているんです。そういったいままで取り組んでなかった部分について、“どうやって評価するの?”ってところをF1のノウハウから持ってきています」

--- F1開発と量産車開発の違いは?

「大きく違っていたのは、量産車はプルービンググラウンドがあり、いつでもテストすることができ、ある一つの部品について効果を確認することができます。一方、F1の場合は、テストの回数や時間が制限されていて、短い時間のなかでいろいろなパーツを一緒に取り付けてテストします」

「F1では一つの部品について効果を確認することができないので、シミュレーション技術や台上試験が発展してきたんですが、それらの技術は全部量産車で使えるテクノロジーなんです。そういった技術があることで、もっと深いところまでメカニズムを理解することができ、結果的に開発スピードは速くなり、理屈まで解るからもっと進化させることができます」

●基本が上がるほど重箱の隅に宝物が

「車が大きく進化する時って、評価方法も変わるんですね。評価方法を変えるとき“こっちの方向をみてみよう”、“これはやっていなかったことだよね”と、車の基本ポテンシャルが上がれば上がるほど、いままで問題としていなかった重箱の隅を調べてみると意外な宝物があるんで、今後も、突き詰めていかなければならないところだと思います」

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