トヨタ アクア《撮影 池田忍》

トヨタ自動車が26日に発表した新型ハイブリッドコンパクトカー『アクア』。ハイブリッドカーの兄貴分である『プリウス』『SAI』と同様、特定の販売店系列の専売モデルではなく、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の4系列すべてで販売される。果たしてどこで買うのが一番トクなのか。

「クルマ自体はどこで買っても同じ。売り方についても系列ごとの独自色を出そうというアイデアは今のところない」と、トヨタ関係者は均質性を強調するが、販売店サイドはそうは考えていないようだ。

「ディーラーの系列によって得意車種は異なります。たとえばわれわれネッツ店はもともと若者向けの車種を主体とするディーラーとして誕生したという経緯から、コンパクトカーが販売の主力となっています。コンパクトカーの販売経験ではカローラ店以上で、小さいクルマを買われるお客様の心理やニーズも一番よく理解している自信がある。プリウスのときにはトヨタ店やトヨペット店にしてやられましたが、アクアではそうはさせないという意気込みで頑張ります」

東京近郊のネッツ店首脳はこのように語る。実際、現行プリウスが発売された時は、旧型モデルを扱っていたトヨタ店とトヨペット店が圧倒的なユーザー管理力を見せつけた。とくに初代からプリウスを販売していたトヨペット店の気勢は壮絶で、販売会社の現場では「トヨタにとって新規の客は販売系列を越えて見比べに来る。絶対に他にやるな」という号令が飛んだりしたこともあった。

越谷のイオンレイクタウンに、トヨタの販売店4系列が集まる「トヨタモール」なるものがある。プリウスの受注合戦が激化していたとき、そこはまさに4社の力関係の縮図とも言える状況が展開され、トヨペットやトヨタのブランドパワーの前に、残り系列のセールスマンが「正直お手上げです」とぼやいていた。

「コンパクトカーは高級車のように所有することの満足感をくすぐることより、日々のカーライフのケアやレジャーの相談などを親身に行うといったユーザーフレンドリーな姿勢がセールスにつながる。価格もボディサイズも手頃なアクアの場合、高級車からのダウンサイジング組だけでなく、コンパクトカーからのステップアップ組もかなり出てくると思います。少なくとも後者のお客様については私たちが絶対に取る」(前出のネッツ店首脳)

ネッツ店以外の系列でもそれぞれの持ち味を生かした販売を考えている。ハイブリッドカーについては4社どこで買っても同じようなインセンティブ、同じような整備レベルという販売を目指すトヨタだが、金銭、機械的サービス以外の部分を見ると、ユーザーにどのようなバリューを提供しているかということについては、系列間でかなりの違いがある。アクアを見るときには、トヨタのディーラー4系列をまたいでみるのも面白い試みだろう。

トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア トヨタ アクア トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア《撮影 池田忍》 トヨタ アクア発表会《撮影 池田忍》