前田武志国土交通相(24日・国交省)《撮影 中島みなみ》

「補正予算も含めて復旧の段階において特別な対応をしている。いよいよ復興の段階になったので、お約束通り今のところは計上していない」

2012年度の当初予算に高速道路の無料化に関するものは皆無だ。前田武志国土交通相は24日の会見で、事実上の高速道路無料化の終結を宣言した。

有料道路を無料開放するためには、通行料に相当する予算が必要だ。現在実施中の東北地方無料開放のための予算は、高速道路会社の企業捻出、補正予算での手当てなど可能な方法はすべて使われた。

その期間も3月31日まで。この区間の無料開放が終了すると、開通当初から無料だった区間を除いて、国が関係する全国の有料道路が基本的に通常料金に戻る。

民主党のマニフェストに掲げた公約は、またひとつ撤回された。政権交代後の民主党で、前原、馬淵両大臣が胸を張って実験を続けた結果は、ガソリン値下げ隊で揮発油税の暫定税率廃止を訴え、その方針をあっさり転換して、当分の間税と看板を掛け替えたときと同様、騒いだあげくに、振り出しに戻しただけだった。最後まで残っているのは、自民党政権が残した休日時間帯割引だった。

高速道路会社が負担するような形でも、東北地方無料開放の継続はないのか。再び発せられた質問に、前田氏はこう述べた。

「もちろん1年を持って現地の状況がもとに復するわけじゃない。とくに原発事故の福島県を中心にたいへんな状況を強いられているので、新年度以降はまた知恵を出し合って、苦境に落ちっている人の対応は別途考えていきたい」

12月に中間とりまとめを提出した「高速道路あり方検討有識者委員会」(座長・寺島実郎日本総合研究所理事長)は、高速道路料金について無料化ではなく、利用者に加えて、自動車ユーザーや地域も負担を共有することで「公正で合理的な受益者負担を実現すべき」と、提言した。

その姿は、2012年度予算案からは見えない。