トヨタ・プリウス

富士キメラ総研は、カーエレクトロニクス市場で地球温暖化への対策として強く求められている「環境」分野のシステムやデバイスの市場を中心に調査・分析した。

同社はカーエレクトロニクス市場をシステムとデバイス視点でとらえた調査を今年6月から2回に分け行った。第1回は特に運転者と同乗する人に関わる「情報」「快適」「安全」分野のシステムやデバイスの市場を調査・分析した。2回目となる今回の結果を報告書『車載電装デバイス&コンポーネンツSelect2012<下巻>』にまとめた。

報告書には「環境」分野のシステムやデバイスとして、パワートレイン系システム/デバイス15品目、HV(PHV含む)/EV/FCV系デバイス13品目の市場のほか、今年6月から調査してきた各種システムに搭載されるECUの構成デバイス(半導体や回路部品など)16品目の市場についての調査・分析結果を掲載した。

調査結果によると環境分野の車載電装品の世界市場についてパワートレイン系デバイスは2010年が2兆2627億円だったのが2011年が2兆4188億円となる見通し。2015年予想では3兆2825億円を予想する。

パワートレイン系のシステムでは、燃費向上に効果があるアイドリングストップシステムの市場が大幅に拡大すると予想する。また、コストとのバランスもあるが、エンジンなどを制御するECUにあらゆる情報を提供するセンサの搭載が増えている。

また、HV/EV/FCV系デバイスは2010年に1729億円だったものが2011年に2252億円と急増する見込み。2015年は1兆0960億円を予測する。

トヨタ自動車の『プリウス』をはじめ、HVが燃費の良い車として一般に認知、定着してきた。参入各社はともにHVの投入を進めているため、搭載されるデバイスの市場は軒並み拡大する。また、EVやPHVも普及していくが、それに伴い大きく市場拡大するデバイスが車載充電器やリチウムイオン二次電池。さらに、FCVも2014年頃から量産車が投入される見通し。FCVの主要構成デバイスである燃料電池スタックや水素貯蔵タンクは、コスト高であったが大幅にコストダウンが進んでおり、量産化が着実に前進している。

ECU構成デバイス市場は2010年が6兆3442億円だったのが2011年に6兆6440億円になる見通し。2015年には8兆3975億円を予測する。

ECUで制御するシステムの搭載が大幅に増加することからECU構成デバイス市場も拡大する。半導体に関してはECU1個に搭載される数を、カスタム製品の使用で複数を統合し減らす方向にある。

新興国向け自動車へのECU搭載個数が大幅に増加しているため、全体に影響を与えるほどではないものの、特にエンジンECUに関してはカスタムICの採用が増加する見込み。自動車の環境性能は、エンジンECUに依るところが大きく、そこに搭載される半導体が性能を左右する。このためカスタムICを採用することでエンジンに応じた最適な制御の実現を目指している。

一方で1個のICに色々なものを詰めたカスタム製品を使用することでノイズ対策などが必要となり、コンデンサなどの部品を多く実装しなければならなくなるため、逆に周辺部品は増加する傾向にある。