パナソニックは19日、世界初となる還流ダイオードを一体化したSiCパワートランジスタを開発したと発表した。同製品の採用で、電気自動車(EV)や産業用機器などで使用されるインバータの小型化・省電力化につながるという。

同社が開発したSiCパワートランジスタは、高耐圧の次世代パワーデバイスとして有望視されているSiC(炭化ケイ素)パワーデバイスに、外付けダイオード(還流ダイオード)を一体化したもの。

開発品は、従来のSiCパワートランジスタの構造に、還流ダイオードの機能を実現する極薄で高濃度の特殊な層(SiCエピタキシャル層)を追加し、逆方向電流の立上り電圧を世界最高レベルの0.5Vまで低電圧化する半導体成膜技術を採用。また、パワートランジスタの特性を確保するように基板(ボディ領域)の濃度を最適化する半導体プロセス技術を採用した。

SiCパワーデバイスは、高耐圧が要求される領域で使用され、機器の低消費電力化が可能となる。今回開発した製品で従来構造のSiCパワートランジスタでは外付されていた還流ダイオードを、新構造のSiCパワートランジスタに一体化した。これにより高価なSiC基板の材料コストを半減し、低コスト化を加速できる。

さらに今回開発したSiCパワーデバイスでインバータを構成すると、部品点数を半減にすることが可能で、小型化、低コスト化も図れるとしている。