GARMIN nuvi 2582V《撮影 山田正昭》

その使いやすさとコストパフォーマンスの高さで世界中で人気のGARMIN。日本でもすでに一定の人気を得ているが、その人気をさらに押し上げるべく、なんと6機種ものPNDを一気に発売した。その中でも中核モデルといえる『nuvi2582V』を紹介しよう。


◆nuvi3770Vと双璧をなす高機能モデル

nuvi2582はワンセグとVICSを搭載したコンパクトなPNDだ。GARMINが今回発売した6機種では、上から2番目に位置するモデルとなる。しかし、単にトップモデルから機能を削っただけの2番手モデルではない。

トップモデルのnuvi3770Vはスタイリッシュな超薄型ボディが最大の特徴となる未来的なモデルだが、ここで紹介するnuvi2852Vは従来のGARMINのテイストを踏襲するベーシックなボディ。そのため価格はよりリーズナブルになっているのだが、ここで注目すべきは、nuvi3770Vにはないワンセグ受信機能が、nuvi2852Vにはあるということだ。

つまり、スタイリッシュで高品位なnuvi3770Vとワンセグ対応のnuvi2852Vというキャラクター付けがなされており、両モデルは上下に位置するというよりは双璧、ツートップといった印象だ。それでいて価格はnuvi2852Vのほうがより抑えられているから、非常に魅力的に感じられる。

では、まずアウトラインから確認していこう。ディスプレイサイズは5インチ、重量190g、メモリ容量は8GBとなっている。シンプル、コンパクトを信条とするGARMINのラインアップの中で5インチは大きい方なのだが、日本のPNDのマーケットの中ではやはりコンパクトな部類に入るだろう。リチウムイオンバッテリーによる駆動時間は約2時間。nuvi3770Vの4時間には大きく譲るが、これはnuvi3770Vが突出しているのであって、PND全体の中で見れば2時間は決して短くない。

機能面では、交差点名読み上げの音声案内、スマートインターチェンジ対応、みちびき補完信号受信に対応したGPSエンジンなど、最新のGARMINPNDに共通の新機能を搭載している。それに加えてVICS対応、ワンセグ受信機能を搭載。携帯電話を接続できるブルートゥースも搭載しており、ハンズフリー通話が可能となっている。

外観は相変わらずシンプルの一言に尽きる。ディスプレイ周辺がガンメタの塗装、それ以外が黒いゴムのような質感の樹脂で覆われたボディはGARMINの伝統に従い、スイッチがひとつしか無い。一言で言えばGARMINらしい外観だ。GARMINらしさとは、高級そうに見える演出をしない、機能性を重視する、デザインされていることを感じさせないデザイン、といったテイストといえるだろう。


◆変わらないようでも確実に機能アップした操作性

早速使ってみた。いつものように電源スイッチを入れると、いつものメインメニューが表示される。いつものGARMINのPNDそのものだ。

まず目的地検索をするが、ここで違いに気がついた。日本語入力が以前のモデルより使いやすくなっているのだ。不要な文字がグレーアウトするのでスピーディに入力でき、また、以前は出来なかった、ひらがな2文字だけの入力での検索も可能になっている。

続いて地図画面にしてガイドを開始すると、ここでもいつも通りでありながら、同時に何かが違う。最初は何が違うのかわからなかったが、しばらくして幾つか具体的な違いに気がついた。まず、地図画面にボタンがひとつ増えている。これをタップすると音量調整や目的地検索などのショートカットメニューが表示される。

また、曲がるべき交差点までの距離が表示される転換方法アイコンや画面下中央に、レーン情報が表示されるようになった。レーン情報はGARMINのPNDの数少ないウィークポイントだったが、これで解消されたわけだ。

前述のとおり音声案内で交差点名を読みあげてくれるようになり、これも実際に使ってみると非常に分かりやすい。さらに、地図で自車アイコンをタップすると画面が切り替わり、そこに表示されたメニューから周辺のコンビニや駐車場を検索できるようになった。これも非常に操作性がよく、便利に使える。

このように、nuvi2852Vのガイド機能はちょっと見ると従来モデルと全て同じなように見えて、実は使ってみるといろいろな部分が進化している。これは二重に嬉しいことだ。ひとつ目のうれしさは、単純に情報量が増えて分かりやすくなったこと。GARMINのPNDは機能の豊富さだけで言えば国産PNDに遅れをとっている感が否めなかった。しかし、交差点読み上げやレーン情報が追加され、もはやほとんど差はなくなったと言える。

もう一つのうれしさは、国産PNDと同等の情報量がありながら、GARMINならではの見やすい画面の魅力が全く損なわれていないこと。運転中にチラッと見るだけで読み取れるシンプルな地図は従来通りで、追加された情報がその分かりやすさを邪魔することはない。


◆日本での利用のために搭載された新機能

安価でコンパクトなPNDは機能も最低限、というのはすでに過去の話。今ではPNDでも充実した機能がなければライバルたちと渡り合えない。特に必要な機能がVICSとワンセグだ。これまでのGARMINはこうした機能に消極的だった。シンプルイズベストというコンセプトに反することと、ワンセグもVICSも日本独自のものなので海外メーカーであるGARMINとしては対応しにくい事情もあったのだろう。

しかし、本機はGARMINのモデルとして初めて両方の機能を搭載。この面でも国産モデルと肩を並べた。

一方、VICSも非常に使いやすくなっている。GARMINの地図は非常にシンプルな表示であり、縮尺を大きめにして周辺だけを表示する使い方が似合っている。また、オートズームにより曲がる場所では自動的に拡大表示になる。そのため、地図上に渋滞を重ねて表示しても今ひとつわかりにくくなってしまう。

そこで、本機ではVICSの表示方法として文字表示、図形表示が可能になっている。これで広い範囲の渋滞状況を人目で確認できるのだ。もちろん、地図にも渋滞状況は表示されるので前方に渋滞がある場合などはすぐにわかる。

VICSの受信アンテナは電源ケーブルから分岐して取り付けるようになっており、付属のアンテナは細いケーブルでウインドウに貼り付けたりすることはできない。しかし、ダッシュボードにバサッと放置しておくだけでもかなり感度良く電波を拾ってくれる。

ところで、カーナビ関連で日本独自のものといえば、昨年打ち上げに成功した日本独自の準天頂衛星のみちびきがある。準天頂衛星とはGPSの精度を向上させる衛星で、本機はこのみちびきの補完信号受信にも対応している。ただし、みちびきはこれから数機打ち上げる準天頂衛星の1号機であり、まだ実験的な運用しかしていない。そのため、みちびきによる測位精度向上の効果はかなり限定的なはずだ。

もっとも、みちびきの有無を別にしても、本機のGPSエンジンの性能は高い。GARMINはもともとGPS受信にかけては定評のあるメーカーだが、最新のこのGPSエンジンは非常に優秀だ。ジャイロなど補助的なセンサーを一切持たないにもかかわらず、トンネルや高架下などGPSの受信環境がきわめて厳しいケース以外ではなったく不満のない測位をしてくれる。

本体サイズは137×83×15mmで5インチディスプレイモデルとしては極めてコンパクトだ。ディスプレイ解像度は480×272のWQVGA。《撮影 山田正昭》 裏面にはスピーカーと外部GPSアンテナの端子がある。USB端子が従来モデルの裏面から下部に移り、ケーブルを繋いだ状態で机に置けるようになった。《撮影 山田正昭》 本体左側にMicroSDカードスロットを備える。欧米の地図データがMicroSDカードで発売されており、そのカードをここに挿すことで海外でも使用することができる。《撮影 山田正昭》 下部にはUSB端子とクレードルに接続する端子がある。《撮影 山田正昭》 ワンセグ搭載なのでこのようなロッドアンテナも内蔵している。アンテナはあまり長くないが受信感度は非常に高い。《撮影 山田正昭》 車載用のクレードルは大きく進歩した。従来は単に本体を固定するだけのものだったが、新型は電源ケーブルを接続できるようになったのだ。このおかげで本体の脱着たびにケーブルを抜き差しする必要がなくなった。《撮影 山田正昭》 クレードル横にも端子があり、別売のケーブルを使って市販のバックカメラを接続することができる。また、従来のクレードルは素材の弾性のみで本体を支えたが、このクレードルは可動式の爪で固定し、リリースボタンも新設された。《撮影 山田正昭》 GARMINならではのシンプルで見やすい地図画面。曲がる方向が白い矢印で表示される。左上の転換方法アイコンにレーン情報が表示されていることに注目。 インターチェンジや大きな交差点はイラストで表示される。また、コンビニやガソリンスタンドは系列がわかるブランドアイコンになった。 目的地検索などで使う日本語入力画面は、入力できない文字がグレーアウトされる仕様となった。また、名前検索でも都市名での絞り込みができる。 車アイコンをタップするとこのように現在地の緯度経度、近くの交差点が表示される。下のボタンをタップして周辺検索をすることができ、これが非常に便利だ。