SH-AWD(本田技術研究所ミーティング)《撮影 土屋篤司》

ホンダが12月5日に開催したジャーナリスト向けの技術披露会。試乗コースのツインリンクもてぎには、ハイブリッドカー(HEV)、プライグインハイブリッドカー(PHEV)、純電気自動車(EV)など、開発中の電動車両が多数持ち込まれた。

そのひとつが、重量級モデルのハンドリングを大幅に改善させることを狙った電動AWD(四輪駆動)システム「電動SH-AWD」を実装した、上級セダン『インスパイア』だ。

この試作車で最も印象的だったのは、電動SH-AWDよりもむしろ7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)+電気モーターという新世代IMAの完成度の高さ。スロットルを踏んだときのモーターアシストのダイレクト感はCVTと組み合わされた現行IMAとは比較にならないほど良好で、シフトショックはトルクコンバーター式ATと比べてもそん色ないレベル。低速走行時のスナッチ(ガクガク)も皆無であった。

このDCTは、クラッチ部分はドイツの自動車部品世界大手、シェフラーグループのものを使っているが、変速機構はホンダのフルオリジナル設計であるという。シェフラーはDCTをハイブリッド化する場合、偶数段か奇数段のいずれかをダイレクトにモーターアシストする方式を提案していたが、ホンダのこのDCTパラレルハイブリッドは体感的には全段アシストのようで、おそらくエンジン側にモーターがあり、エンジン+モーターの統合出力を変速機でトルク増強する方式であると推測できる。

ホンダはこれまでMTに似た平行軸式と称する独特な構造のATを自社生産してきた。この方式は変速比の設定の自由度が非常に高いというメリットがあるが、多段化するとそのぶん大きく重くなってしまうという点で、最近は性能面で遊星ギア式多段ATに押されっぱなしであった。7速DCTはその遅れを一気に挽回できるだけのポテンシャルを感じさせるものだった。

ホンダミーティングでは2.4リットルクラスまでを新開発のCVTでカバーするという戦略が打ち出されていたが、トルクの大きな大排気量V6にはCVTは合わない。ホンダはDCTの市販化については明言していなかったが、完成度からいってもこの新型DCTが新世代の大排気量向けトランスミッションとなる可能性はかなり高いと思われた。

SH-AWD(本田技術研究所ミーティング)《撮影 土屋篤司》 SH-AWD(本田技術研究所ミーティング)《撮影 土屋篤司》 SH-AWD(本田技術研究所ミーティング)《撮影 土屋篤司》 SH-AWD(本田技術研究所ミーティング)《撮影 土屋篤司》