東京商工リサーチは、為替水準での円高が定着している中「円高」関連倒産動向の調査結果を発表した。

11月の円高関連倒産は、10月の9件を上回り、今年最多の10件発生した。今年1月〜11月の累計は、金融ADR制度の効果で通貨デリバティブ損失による倒産が減少した影響で前年同期比18.4%減の53件とマイナス。ただ、最近は増勢が目立つ。

53件の産業別では、「卸売業」が34件で全体の6割以上を占めた。次に「製造業」で17件だった。

さらに細かな業種別では、「機械器具卸売業」が11件、「繊維・衣服等卸売業」が8件、「飲食料品卸売業」が5件、「その他の卸売業」が4件となった。

形態別では、「破産」が35件で全体の66%を占めた。次に「民事再生法」が12件、「銀行取引停止」が5件と続く。

10月、11月と件数が今年最多を連続更新するなど動きが出てきた。通貨デリバティブ損失倒産も10月と11月で9件となり前年を上回った。高水準の円高が続くなかで、中小企業の対応力にも影響が出ている模様だ。

同社の調べによると東証1部、2部に上場するメーカー90社の約9割が今年10月以降の想定為替レートを1ドル=70円台に変更している。トヨタ自動車は納入先サプライヤーに対して円高などを理由に原価低減を要請するなど、国内製造業の下請けはコスト削減への対応も余儀なくされており、10月以降の円高関連倒産が増加していることは、こうした状況を反映しているとみられる。