会見する有識者委員会。寺島実郎座長(左)と家田仁委員(右)/9日・国交省《撮影者 中島みなみ》

高速道路の原則無料化をマニュフェストに掲げる民主党政権にとって、9日に前田武志国土交通相に提出された「今後の高速道路のあり方 中間取りまとめ」は、大きな方向転換を迫るものとなった。

コスト負担における有識者委員会の議論について、寺島実郎座長(日本総合研究所理事長)は「持続可能なシステムに向けての公正な負担、誰が交通システムを維持するコストを、どういうバランス感覚で負担するのが正しいのか、もう一回考えてみようということでとりまとめてみた」と、報告書の趣旨を話した。

無料化社会実験について分析した有識者委員会は「地方の経済の活性化にとってポジティブな面もある。高速道路ができるだけ負担の少ない形で運営されるというのは、ひとつのあり方の方向感としては共有していかなければならない」(寺島氏)と評価する一方で、「日本の高速道路を作る側の姿勢は、作って、ネットワークを広げていくということだけだったが、維持管理、設備更新、機能を上げることも必要。そこには費用がかかる。そこに着目すると方向性が見えてくる」(家田仁東京大学大学院教授)と考え、報告書には次のように記された。

「高速道路の直接の利用者及び自動車ユーザー全般の負担を基本とし、加えて自動車ユーザー以外の主体や便益を共有する地域からも負担を求めることで、公正で合理的な受益者負担を実現していくべきである」 

さらに報告書には「距離に応じた公正妥当な料金体系と安定的でシンプルな料金制度を構築し、真に必要なネットワーク機能を十全に発揮できるような弾力的な料金施策を追求すべき」とある。これは有識者委員会が打ち出した原則有料化の方針だ。

寺島氏はこの考え方を「フリーウェイ幻想から脱却」と表現し、「今後、行政としての国交省、政治としての国会とか、それぞれの料金体系の意見があると思うが、有識者委員会として国民目線に立ってバランスのとれた高速道路のあり方というのはこういうことではないか」と、話した。