東京電力福島第一原発で、淡水化装置(蒸発濃縮装置)からの放射性汚染水の水漏れが発覚した。原発事故収束の工程ステップ2の期限である年末が近づく中で、対応が問われている。

4日午前に淡水化装置周辺の堰内の漏水は、推定45t。現場では作業員が定期的に施設の巡回をしているが、20時間以上漏えいが放置されていた。施設内に漏出した汚染水は、コンクリート亀裂部分などを通じて約300リットルが海に流れ出した可能性がある。

この装置は、正常に送水されない場合には自動で運転が停止するが、漏えいの検出システムなどはない。

5日、原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は「必ずしも設備が十分ではなかった。東電側に改めて検討してもらう」と、指示文書を発令した。

しかし、ステップ2の工程の中には、原子炉の安定的な冷却のみならず、放射性物質放出抑制を目的にした項目も含まれている。

森山氏は「年内の冷温停止は必須。漏えいはすでに止まっているため、今回の状況も今後の評価に含め、対策を講じるようにしたい」とした。ただ、速やかな原因究明や再発防止対策、周辺の環境調査などを依頼しているが、評価等に必要な時間が異なるとして期限は設けていない。

「年内のステップ2完了に向け、今後こういったことがない状況をいかにつくるかが問われる。厳格にチェックをし、国民に対しても説明ができるようにしたい」と、園田康博内閣府大臣政務官は述べたが、東電の対策と保安院の監督体制が共に問われている。

堰内の漏水は、発見された4日中に、水中ポンプなどで廃液RO供給タンクに移送された。