BMW 1シリーズ《撮影 宮崎壮人》

日産『リーフ』が2011-2012COTYを受賞したことにまったく異議はない。選考委員全員が10点入れた満点が600点だから522点はこの先10年は破られない記録になるだろう。

EV(電気自動車)専用ボディで100%EVを作って発売したこと、そして本格的なEVが始まる元年を日産リーフが作ったこと、これらが評価されてCOTYが獲れたのだと思う。

ではオールマイティなクルマか? といえば疑問が残る。レンジ(航続距離)の短さはドライブ好きなユーザーには向かない。つまり今、EVは近距離走行には合っているが、中距離、長距離、長時間走行には向いていない。つまりライフスタイルの中でどう使うのかによってリーフが生きてくるかどうかが決まるのだ。近距離専用モデルと割り切った使い方が必要なクルマだ。

ボクはマンションに住んでいて、駐車場にEV充電用電源コンセントを設置するための議題を半年以上前から理事会、総会に出しているのだが、いまだに付けられそうもない。住民が金銭負担しなくても済むのに反対意見が出てきて、いつまでたっても話は進まない。こうなると簡単にリーフを買えるのは、駐車場付きの一戸建てに住んでいる人に限られる。

走るときや止まっているときにいろいろ楽しめる歓びはあると思う。でも純粋にクルマを走らせる歓びを、リーフでは満足していない。

だから522点のうちの2点がボクである。

ということで、走る歓びを一番愉しめ、上級車にも劣らない装備を持ち、上質な走りになったBMW『1シリーズ』に10点入れた。


菰田潔(こもだ きよし)|モータージャーナリスト/日本自動車ジャーナリスト協会副会長
学生時代から始めたレースをきっかけに、タイヤのテストドライバーになり、その後フリーランスのモータージャーナリストに転身。クルマが好きというより運転が好きなので、その視点でクルマの評価をしている。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、JAF交通安全委員会委員、警察庁(交通企画課/運転免許課)各種懇談会委員、グッドパーキング選考委員、全国道路標識・標示業協会理事、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなどの肩書を持つ。スポーツドライビングやセーフティドライビングの実技講習だけでなく、2002年からはトラックドライバー向けのエコドライブ講習も手掛け好評を得ている。

BMW 1シリーズ《撮影 宮崎壮人》 BMW 1シリーズ《撮影 宮崎壮人》 電気自動車のリーフが日本カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、東京モーターショー日産ブースでは受賞報告が行われた。《撮影 椿山和雄》 こもだきよし氏《撮影 宮崎壮人》