福島原発事故の中間報告会見に臨む山崎雅男副社長/右と尾野昌之GM(2日・東電本店)《撮影 中島みなみ》

東京電力は2日、福島原子力発電所事故に関する中間報告書を公表した。会見冒頭では「リスク低減への対策が至らなかった」と謝罪したものの、発表内容は従来の「想定外の津波が事故の直接原因」を繰り返した。

津波対策については、土木学会から刊行された標準的な評価方法を基準とし、同会に審議も依頼してきた経緯を説明。「発電所の設備設計についても、法令に基づいた許可を得てきた」など、国と一体となり対策を行ってきたことを強調した。そのうえで、想定した範囲を上回る災害が起こり、事故の拡大を防止できなかったと結論づけた。「結果として」という言葉を連発した。

また、事故発生後の対応については「人為的ミスはなかった。復旧にあたった職員に状況調査をしたところ、過酷な状況のなかでできるかぎりのことは行ったと思う」という見解を示した。

会見は、東京電力の山崎雅男副社長(福島原発事故調査委員会委員長)を筆頭に、石田昌幸原子力品質監査部長、石川雅巳品質監査グループマネージャー、尾野昌之運営改善推進グループマネージャーの4人が対応した。東電側が委員会事務局も兼ねているとし、委員の同席がないまま、会見は3時間以上続いた。

「事故は仕方なかった」という印象がぬぐいきれない今回の報告書の内容について、山崎副社長は「技術、設備面などの事象にしぼり、目的に沿ってまとめた」とコメント。報告書の内容は調査事実が中心で、事実について十分な検証がされたとはいえない。「中間報告なので、さらに調査を進め、総合的な対策につなげたい」としている。

会見では、社外有識者を含む「原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会」の意見書の一部を、石田部長が読み上げた。委員会は「直接の原因は未曾有の津波」としながらも、事故を拡大させたのは「アクシデントマネジメントを含むハード面、ソフト面での事前の安全対策が充分でなかったことによる」と、東電側の責任を追及する一方で、東電や国を含めた原子力関係者国が「安全神話を生み、そこから抜け出せなかったことが背景にあると思われる」と、記述している。

中間報告書など提供された資料は厚さ5cmに及ぶ。