車体課税について財務省、総務省と経済産業省との折衝が続く。重量税と取得税の取り扱いについて軽減や廃止を求める経産省と、それに難色を示す財務省のやり取りは、山場を迎えている。

焦点となっているのは、自動車重量税(国税)と自動車取得税(地方税)の自動車2税だ。経産省は国際標準から考えても車体課税が重いと廃止や見直しを求めているが、財務省は「自動車取得時の消費税も含めれば、欧州諸国と比較して必ずしも高い水準にあるとはいえない」と反論。民主党内の税制調査会会合では、車体課税は廃止、見直しをすべきとの意見を得て、車体課税は引き下げ、または廃止の方向にあるかのようにも見える。

もともと車体課税は11年度の税制改正大綱で、簡素化や負担の軽減などを行う抜本的な見直しを検討する、とされている。今回の折衝は、その流れに沿った結論を得るためのもので、車体課税は負担軽減という方向性にあることは確かだ。

しかし、11年の税制大綱では抜本的な見直しを「グリーン化」も含めて検討すべきと注文を付けている。グリーン化とは、税制による環境誘導のことで、例えば、エコカー減税もそのひとつだ。一定の排ガス性能や燃費性能を備えた車両を自動車について、取得税や重量税を減税することで、環境性能の高い車両が世の中に多く出回る。それが税制のグリーン化だ。

このエコカー減税について、財務省は「エコカー減税の対象車は、09年導入時には、新車販売に占める割合が4割強であったが、現在は8割となっている」と、疑問を投げかけている。11月29日の会見で、安住淳財務相はこう述べた。

「行われているエコカー減税の期限が切れますから、そういうものを総合的に勘案しながら、現下の経済状況の中で最も有効なものは何かということ」。

重量税や取得税について抜本的な負担軽減を図るなら、エコカー減税の機会でもあるので「真に必要な対象に重点化する」こと、つまり、減税対象を絞るということもあっていいのではないかというわけだ。

エコカー減税は、自動車取得税(地方税)については3月末、自動車重量税(国税)については4月末で期限が到来する。仮に重量税と取得税が引き下げられたとしても、それだけで車体関連課税全体の負担軽減になるとは限らない。

さらに安住氏はこうも言う。「消費税の議論がこれから出てくる中で、車体課税の議論はあっていいと思う。ただ、来年度すぐということになればペイアズユーゴーの原則をしっかり守って、その見合いの財源をどうするのかということも出てくる」。

ペイアズユーゴーをそのまま日本語にすると「即金払い」のこと。税制議論の中では減収分はどこかで財源を確保するという代替財源確保を堅持する姿勢を示す。仮に自動車2税を廃止した場合、総額9000億円の減収となる。これは消費税の約1%分に相当するが、この代替財源が見付からない。

「民主党は野党時代に揮発油税の暫定税率についても廃止を訴えたが、実現できなかった。今回もそれで済ませることができるのか」と、民主党内からもそんな声が漏れる中、政府は難しい判断を迫られている。