ホンダ フリードハイブリッド《撮影 宮崎壮人》

ホンダ『フリード』に待望のHVモデルが加わった。

11年10月のMCで『フリード』はひとクラス上のポジショニングを目指し、ダウンサイザーに応える内外装の上級化、乗車定員の変更(3列目席を2人掛けに)、ガソリン車の燃費向上(16.4→17km/リットル)、そして10・15モード燃費24km/リットルを誇るHVモデルを追加。これまで装備されなかった運転席ハイトアジャスター、前席シートベルト上下調整機能、VSAを全車標準化。快適安全装備の充実も、今さらながらとはいえ、目玉である。

HVモデルの居住空間はガソリン車とまったく変わらない。バッテリーなどHVシステムのほとんどをこれまで空洞だった3列目席床下に収めることができたからだ。ただし、荷室フロアは65mm高くなった。とはいえそれでもフロア高は545mmとフィットシャトルの540mmと変わらない低さ。使い勝手、実質的容量に影響はまったくない。

注目のHVモデルの走りは、まず従来のガソリン車に対して乗り心地が良くなっている。足回りの見直し、+80kgの重量物が車体の低い位置にあるのがその理由のひとつ。モータートルクによる走り出しの滑らかさ、加速性能、巡航中の静粛性も高まった。

ただし、パワステは扱いやすさ重視から軽すぎる印象で、ステアフィールもややあいまい。静粛性が増したぶん、エンジンのざわつき感が目立つようになったのはちょっと残念な部分。

とはいえ、フリード全体としては3列目席を2人掛けにしたことで乗員ひとりひとりの快適性が高まった点は大いに歓迎できる。燃費のいいコンパクトな多人数乗用車を探していた人にはうってつけの1台と言える。

HVモデルの価格は214.9万円から。同仕様のガソリン車に比べ約30万円高になるが、走りの滑らかさ、静かさ、モータートルクによる動力性能の余裕、日々体感できる実燃費の良さ、そしてHV車ならではのエコアシスト機能は大いに魅力的。今買うならHV車を積極的に薦めたい。

もちろん、フリードはペットフレンドリカーとして認定できる1台だ。2列目キャプテンシートの6人乗りを選べばスライドドアから、荷室側から愛犬を乗せることができ、その居場所も自由自在。たとえ荷室に乗せても2列目席の隙間からアイコンタクトできるのだ。アクセサリーでペットシートマットの用意もある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフジャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組も手がける。

ホンダ フリードハイブリッド《撮影 青山尚暉》 HVの顔は専用化されている。《撮影 青山尚暉》 【ホンダ フリードハイブリッド 試乗】ちょっと高くてもHVを…青山尚暉《撮影 青山尚暉》 【ホンダ フリードハイブリッド 試乗】ちょっと高くてもHVを…青山尚暉《撮影 青山尚暉》 【ホンダ フリードハイブリッド 試乗】ちょっと高くてもHVを…青山尚暉《撮影 青山尚暉》 【ホンダ フリードハイブリッド 試乗】ちょっと高くてもHVを…青山尚暉《撮影 青山尚暉》 【ホンダ フリードハイブリッド 試乗】ちょっと高くてもHVを…青山尚暉《撮影 青山尚暉》 ECONスイッチ。《撮影 青山尚暉》 HVのメーターは専用。《撮影 青山尚暉》 フリードの2列目席はこの3人掛けのベンチタイプと2人掛けのキャプテンタイプがある。《撮影 青山尚暉》 スライドドア部のフロアはごく低い。《撮影 青山尚暉》 全タイプ、2人掛けとなった3列目席。快適度が増した。《撮影 青山尚暉》 3列目席には座面にポケットを備える。《撮影 青山尚暉》 HVの荷室開口高はガソリン車の480mmから545mmへと65mm高まったが、それでも低い。《撮影 青山尚暉》