トヨタ 86 プロトタイプ《撮影 宮崎壮人》

12月3日から一般公開される第42回東京モーターショーの主役の1台になるであろう、トヨタのFRスポーツ『86』はなぜいま登場したのか。チーフエンジニアを務めた製品企画本部の多田哲哉氏は次のように語った。

「2007年1月に役員会で、『もう1回量産スポーツカーをやろう』と決まったのがきっかけです。それまでも毎年のようにスポーツカーの企画は上がってきていたんですけれど、もっと投資効率の高いクルマが優先されて、先送りになっていたんです。でもそれが、今日のクルマ離れを招いたいちばんの原因だったんじゃないかと考えるようになって。『このままだとクルマ全体が沈んでしまう』という危機感がすごいありました。社長の意志もかなり強固なものでした」

多田氏は当時、2代目『ウィッシュ』のチーフエンジニアを務めていたが、3月に突然役員室に呼ばれ、「今日からスポーツカーをやってくれ」と告げられたという。しかし最初は、ボディサイズからエンジンまで白紙だった。富士重工業との共同開発という話も、この時点では構想にすら上がっていなかった。

「役員からは、『なにも決まっていないからゼロから考えてくれ』と言われたので、最初の半年ぐらいは、いろいろな可能性をスタディしていたんです。たまたまそのときに、スバルとトヨタの提携が強化されるという話を耳にしました。ということは水平対向エンジンも使えるんだと思って、このエンジンを使ったスポーツカーも企画のひとつとして出したんです」

「スポーツカーを作れ」と言われて多田氏が真っ先に思い浮かべたのは、ヨタハチ(『スポーツ800』)だった。空冷水平対向2気筒エンジンを積んだヨタハチは、軽くて空気抵抗が少なく、燃費が良かった。今のスポーツカーに求められる要素がすべて入っているからこそ、これならもう1度作れるのではないかと考えて企画した。それが実現に結び付いたのだという。

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