自身の処分について話す細野豪志環境相《撮影 中島みなみ》

環境省に2度に渡って放射性物質の混じった汚染土や灰が送りつけられた問題で、その対応のまずさに細野豪志環境相が怒った。細野氏が報告を受けた翌日の17日には、担当の課長と課長補佐を異動。今日は、細野氏自身を含む政務三役と幹部職員の処分を公表した。

副大臣と政務官は2割で2か月間、事務次官と官房長は1割1か月間、給与の自主的返納の処分を下した。驚いたのは、細野氏自身の処分で、大臣給与の全額を、任期中ずっと返納し続けるというものだった。あまりの処分の重さに、会見に出席した記者がもう一度聞き直したほどだ。全額返納し続けたら、大臣の生活はどうなるのか。

実は全額返納と言っても、その中味はいわゆる大臣手当の返納だ。議員出身の閣僚の給与は、法律で月額約150万円と定められ、約100万円の議員歳費に上乗せされる形で支給されている。つまり返納されるのは細野氏が受け取る給与全体の3分の1で、しかも返納額には、いわゆるボーナス分は含まれない。同様の計算で副大臣以下政務二役に至っても、実質10万円以下の返納になり、給与全体から1割を返納する事務次官ら事務方と差がなくなる。

無期限の全額返済というのは、言葉のパフォーマンスのようにも思えるが、環境省には、そうせざるを得なかった理由があると、環境省の職員の一人は話す。

「この荷物が、政府による除染が進まないことへの抗議であることは明らか。現状でも、いろいろな荷物が環境省には届いているのに、今回の一件で類似の行為が広れば、ただでさえ職員の足りない環境省は、機能不全に陥りかねない。年が明けるまでは手の施しようがないわけだから、処分の重さを強調してでも、食い止めるしかなかった」

穏便にすませたいという気持ちからか、当初、環境省は弁護士を交えて依頼人に返送することを検討したが、荷物を受け取り、開封してしまったために困難と判断。上席の言葉を受けて、処分に困った担当の課長補佐が汚染土を自宅に持ち帰り、近くの空き地に捨ててしまった。

本来、問題なのは、こうした放射性物質に汚染されたものを投棄することが法律違反ではないことで、突き詰めると汚染原因を作った東京電力は、なぜ責任を問われないのかという問題にたどり着くのだ。