三菱重工業は、東京電力福島第一原子力発電所の滞留する水処理過程で発生する放射性廃棄物(廃スラッジ)を一時保管する貯蔵設備を納入するため、現地で据付工事を開始したと発表した。

現在、福島第一原子力発電所事故の収束に向けた取組みが行われているが、重要な課題の一つとして原子力発電所1〜4号機建屋内にある高濃度の放射性物質を含む滞留水を、原子炉の冷却水として循環させるため、水処理(放射能除去)設備と淡水化システムによる処理を行っている。

今回の貯蔵設備は、その水処理設備のうち除染装置で放射性物質を凝集沈殿させた際に発生するスラリー状廃液の廃スラッジを安定的に貯蔵するために設置されるもの。

貯蔵設備は、壁厚約1mのコンクリート製セル室に設置されるスラッジ貯蔵タンク、オフガス(スラッジ貯蔵タンクからの排ガス)処理設備、換気空調設備、制御設備、ユーティリティ設備など多数の設備で構成する。スラッジ貯蔵タンクは、厚さ25mmの鉄製で覆われた直径3.2m、長さ約13.5mの横置円筒型で、廃スラッジ撹拌・水素掃気などの機能も持つ。タンク1基で廃スラッジを最大90立法m貯蔵できる。予備として1基を含む8基を設置する。

貯蔵設備は、東海再処理工場(茨城県東海村)、六ヶ所再処理工場(青森県上北郡)での高レベル廃液貯槽納入経験に基づくノウハウや、国内外での多数のプラント建設で蓄積してきた実績をシステム設計や建設工法などに活かして同社の総合力を発揮して対応するとしている。

福島第一原子力発電所事故で、同社はこれまで、低レベル滞留水貯蔵のためのメガフロートの改造工事、発電所内の瓦礫処理のための放射線遮蔽キャビン搭載大型フォークリフトを供給などで支援してきた。